研究課題/領域番号 |
21K05739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
田和 篤史 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 主任研究員 (80781864)
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研究分担者 |
田中 庸介 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (70454626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | マグロ族魚類 / 安定同位体分析 / 胃内容物の顕微鏡観察 / 胃内容物のメタバーコーディング解析 / 魚食への切り替わりのタイミング / 稚魚期 / 炭素窒素安定同位体比 / 食性転換 / 初期生残プロセス / マグロ族 / 初期生活史 / 安定同位体 / 初期生残 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は南西諸島海域と常磐沖を調査フィールドとして,マグロ族仔稚魚の成長に伴う食物源を炭素と窒素の安定同位体比を用いて調査する.さらに,耳石輪紋解析を組み合わせることによって,食性変化と成長率の関係を明らかにすることで,いつ,どこで,どのような餌に食性が変化した個体が生き残るかを評価する.これらの結果をもとに,食性転換に着目したマグロ族仔稚魚の生残プロセスの解明を試みる.
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研究実績の概要 |
2023年度は南西諸島及び常磐沖フィールド(以下南西海域,常磐海域)の2つの海域においてマグロ族仔稚魚のサンプルを収集し,炭素窒素安定同位体分析, 胃内容物の顕微鏡観察とメタバーコーディング解析をそれぞれ実施した. これまでの安定同位体比分析の結果を踏まえ,キハダとクロマグロにおいて,安定同位体比の区分回帰分析を行ったところ,両種において体長6-8mmの範囲に変曲点が認められ,食性の変化が示唆された.顕微鏡観察では,2つの海域でそれぞれ採集されたキハダ(3.4-50.1mm)とクロマグロ(3.1-111.5mm)の仔稚魚について胃内容物を直接観察した.その結果,魚食が確認された最小サイズは,南西海域のキハダで6-7mm, クロマグロで7-8mm, 常磐海域のキハダで7-8mm, クロマグロで8-9mmだった.15-20mm以上の稚魚期以降は,ほぼすべての個体で魚食の痕跡が確認された.顕微鏡観察と安定同位体比の結果はよく一致しており,キハダとクロマグロが,稚魚期になる前の段階ですでに魚食に転換していることを示唆している. マグロ族稚魚期の胃内容物直接観察では,稚魚が日没後に採集されたものであるため,消化が進んでおり,正確に同定できる胃内容物は得られなかったため,胃内容物のメタバーコーディング解析を実施した.南西海域のキハダとクロマグロの稚魚期(21.4-30.1mm)について分析した結果,16科28種の魚類のDNA型が確認された.胃内容物で出現頻度の高い魚種は,キハダとクロマグロの両種で類似しており,夏季南西海域の表層域で出現頻度の高い仔稚魚と一致しており,キハダとクロマグロ稚魚が日和見的な捕食をしていることを示唆している.
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