研究課題/領域番号 |
21K05740
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
山口 寿哉 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (70604312)
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研究分担者 |
北野 健 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (40336219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ヒラメ / 全雌生産技術 / 性分化 / 環境依存的性決定 / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒラメにおける完全な全雌生産技術の開発を目的とする。陸上養殖対象魚種であるヒラメは雄よりも雌の成長が早いことから、雌だけを作る全雌生産技術が要望されているが、ヒラメの遺伝的雌(XX)は高水温等の環境要因により簡単に雄化する為、完全な全雌生産が難しいのが現状である。そこで、F0世代で高効率にノックアウト(KO)変異体を作出可能なゲノム編集手法(CRISPR/CASシステム)を用いてヒラメの雄化誘導因子のKO変異体を作出し、環境要因により雄化しない全雌化ヒラメ系統を作出する。
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研究実績の概要 |
本研究では、高水温などの環境要因により雄化しない完全な全雌生産を可能とするヒラメ系統の作出を目的としている。 令和3~4年度は、F0世代から高効率にノックアウト(KO)変異体を作出可能なCRISPR/Cas9システムを用いて、全雌化が期待される系統としてヒラメの性決定遺伝子であるamhの受容体遺伝子(amhr2)のKO変異体ヒラメ(amhr2 KOヒラメ)の作出と解析を主に行った。amhr2 KOヒラメの遺伝的雄(XY)と雌(XX)はどちらも通常の卵巣を持つ雌であったことから、amhr2 KOヒラメは全雌化することが示された。また、エストロゲン合成阻害剤であるファドロゾールを性分化時期(孵化後60日~100日)に投与したところ、amhr2 KOヒラメは雌化せずに通常の精巣を持つ雄であった。これらの解析結果等から、amh/amhr2シグナルはエストロゲン合成を抑制するシグナルであり、amhr2 KOヒラメはエストロゲン合成が抑制されないことから全雌化すると考えられた。 最終年度である令和5年度は、作出したamhr2 KOヒラメが高水温により雄化しないことを確認する試験を主に行った。ヒラメは性分化時期に通常水温(18℃)と比較して高水温となる27℃で飼育することにより、ほぼ100%のXXが雄へと性転換する。そこで、amhr2 KOヒラメを性分化時期に高水温で飼育する雄化誘導試験を行った。その結果、通常のヒラメを27℃で飼育した対照区ではXXが全て雄化したのに対して、amhr2 KOヒラメを27℃飼育した試験区では全ての個体が通常の卵巣を持つ雌だった。このことから、amhr2 KOヒラメは高水温により雄化しないことが確認された。以上の研究結果から、amhr2 KOヒラメは全雌であり、高水温などの環境要因により雄化しない完全な全雌生産を可能にする系統になり得ることが示された。
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