研究課題/領域番号 |
21K05745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
阿部 信一郎 茨城大学, 教育学部, 教授 (40371869)
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研究分担者 |
棗田 孝晴 茨城大学, 教育学部, 教授 (00468993)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 付着藻類 / 淡水魚類 / 両側回遊魚 / 移動・分散 / 河川生態系 / 被食型分散 / 珪藻 / アユ / カジカ / 排泄 / 河川横断工作物 / リュウキュウアユ / 河川内分散 / 魚類 / 移動 / 排泄物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、河川の生物生産を支える重要な一次生産者であると共に、大増殖により景観・水質の悪化および漁業被害をもたらす付着藻類が、魚類に食べられ排泄されることで、魚類の移動にあわせて河川内に分散し、生育場所を拡げる可能性を検討する。先ず、付着藻類を直接・間接的に食べる魚種について標識した個体を追跡し、それらの移動範囲を調査する。さらに、それらの魚種の排泄物中に含まれる付着藻類細胞と増殖能力をもった生細胞の種類組成と密度を調査する。それらの結果から、移動能力の異なる様々な魚類を介して運ばれる増殖力を持った付着藻類の種類組成を明らかにし、それらが散布され得る流呈範囲を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、淡水魚類による付着藻類の河川内散布について検討した。その結果、食性の異なる4種の両側性回遊魚(アユ、リュウキュウアユ、シマヨシノボリ、カジカ中卵型)の糞中に増殖能力を持った微細藻類(Melosira varians、Cosmarium spp.、Closterium spp.、Senedesmus spp.等)の生残を観察し、河川付着藻類が魚類により被食散布され得ることを確認した。さらに、那珂川支川での魚類相調査から、底生魚類の移動範囲は上流に設置された堰の落差高によって決まること、河川環境(水深、流速、食物量等)の時空間変動が淡水魚類の河川内分布に影響していることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、河川付着藻類の分散過程の一つとして、淡水魚類による被食散布が生じ得ることを明らかにした。世界各地の河川で在来・外来の有害藻の分布拡大が顕在化している。本研究の成果は、それら有害藻の河川内分布の予測およびその対策を講じるうえで新たな視点を加えるものである。
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