研究課題/領域番号 |
21K05751
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
篠田 章 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70401297)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ニホンウナギ / シラスウナギ / 接岸量 / 接岸回遊 / 初期生活史 |
研究開始時の研究の概要 |
ニホンウナギ養殖の種苗となるシラスウナギの漁獲量は年変動が大きく、その要因は明らかになっていない。本研究では、鹿児島県と神奈川県において、シラスウナギ接岸量の調査を5年間にわたり継続して行う。採集したシラスウナギの種査定をし、接岸時の状態の指標として外部形態の測定をおこなう。一部の個体については、誕生から採集されるまでの個体の履歴が刻まれた耳石を解析することで初期生活史の推定を行う。過去の標本も含めて、二地点の15年間の初期生活史を比較することでシラスウナギの年単位の資源変動機構を検討する。
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研究実績の概要 |
2021年11月9日から2022年5月31日までの期間に種子島の大牟礼川河口で21回のシラスウナギ接岸量調査を行った.シーズン最初の接岸が認められたのは11月25日で,ピークは1月4日と2月6日であり,5月5日の接岸で終了した.2022年も11月から接岸量調査を行っており,2023年5月末まで継続予定である.神奈川県相模川河口では,2022年4月から2023年3月まで毎月1回の接岸量調査を継続して行った.22シーズン(2021年秋から2022年初夏)は6月28日まで接岸が認められ,23シーズンは11月21日に初の接岸があった. 2021年1月13日と2022年1月4日に種子島の大牟礼川河口(TNG21, 22群),2022年3月28日に相模川河口(SGM 22群)で採集されたシラスウナギを用いて(n = 9-10),年級間,地域間で初期生活史を比較検討した. 解析した3群の全長は,TNG21 群は56.7±1.5 mm,TNG22 群は59.3±2.0 mm,SGM22 群は52.3±2.6 mmであった.総日齢は,TNG21群は146.4 ± 8.4日,TNG22 群は168.7±13.4日,SGM22 群は170.4±17.3日であった.種子島において年級間で比較すると,TNG22 群の方が全長が大きく,総日齢は高齢であった.続いて,同一年級でそれぞれ種子島と相模川に接岸したTNG22 群とSGM22 群で初期生活史特性を比較した.その結果,総日齢と変態期間には差が認められなかったものの,全長はTNG22 群の方が大型であった.2群の色素段階は共通していたため,全長の違いはレプトセファルス期の成長率に起因する可能性が高い.種子島に大型のシラスウナギが接岸したことは,北赤道海流中での輸送期間によく成長した個体が早期に遊泳能力を獲得して黒潮から離脱したためと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種子島,相模川ともに接岸量調査は順調である.採集したサンプルの解析も計画通り進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
申請通り,2023年度以後も種子島大牟礼川河口と神奈川県相模川河口でのシラスウナギ採集調査を継続する.採集したサンプルの生物学的特性および初期生活史の推定を進める.
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