研究課題/領域番号 |
21K05764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
東藤 孝 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (60303111)
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研究分担者 |
平松 尚志 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (10443920)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 卵形成 / 卵成長 / 卵黄形成 / メダカ / 中性脂質 / タンパク質 / リポタンパク質 / ゲノム編集 / 卵母細胞 / 卵黄タンパク質 / 油球 / 卵黄球 / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、魚類の卵母細胞における広義の卵黄物質である油球と卵黄球の蓄積機構について、それらに関わる重要な分子群の機能を最先端のゲノム編集技術を用いることにより解析し、明らかにすることを目的とする。油球についてはリポタンパクリパーゼと脂肪酸輸送体を、卵黄球についてはリポタンパク質受容体をそれぞれ解析対象とする。ゲノム編集技術を用いて各遺伝子欠損メダカを作出し、表現型(卵形成過程、卵サイズ、妊性、卵黄物質の構成、種苗の質など)を分子生物学・生化学・組織学的手法により詳細に解析することにより、魚類の卵黄形成における各因子の役割を解明し、魚類における卵質向上技術の開発に向けた基礎的知見を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究は、魚類の卵母細胞中に卵黄物質として貯蔵される中性脂質(油球)と卵黄タンパク質(卵黄球)の蓄積機構を分子レベルで解明することを目的とした。メダカを研究モデルとし、それぞれの蓄積に関与する分子群について、種々の発現解析やゲノム編集技術を用いた機能解析を行った。その結果、油球蓄積については、中性脂質のキャリアーである超低密度リポタンパク質の代謝酵素であるリポタンパクリパーゼが、卵濾胞細胞において重要な役割を担っていることが示唆された。また、卵黄球蓄積については、複数のリポタンパク質受容体が、複数の卵黄タンパク前駆物質の卵母細胞内への取り込みにおいて異なる役割を担っていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、魚類の卵成長や胚発生、仔稚魚の成長に必要不可欠な魚類の卵黄形成機構について、中性脂質と卵黄タンパク質の双方の蓄積機構を解析し、種々の重要な知見を得た。それらの中でも、ゲノム編集技術を用いて、種々の卵黄形成関連因子の機能を直接的に解析する基盤を確立し、特にリポタンパク質受容体の1種について、卵黄タンパク質の取り込みにおける機能を脊椎動物で初めて明らかにできた点は、学術的意義が極めて高い。本研究で得られた成果は、脂質やタンパク質の卵内への蓄積を人為的に制御できる技術の開発に繋がるものであり、これまでにない画期的な卵質改善法の開発を可能とする点で、その社会的意義も大きい。
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