配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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研究実績の概要 |
本研究では、褐藻(オキナワモズク)のフコキサンチン生合成経路を明らかにするために、フコキサンチン生合成経路を上流(植物と共通)と下流(褐藻に特有)に分けて研究を行った。 フコキサンチン生合成経路の上流経路(ビオラキサンチンまで)は、植物と共通であると考えられるため、既知の植物カロテノイド生合成遺伝子と相同な遺伝子を探索した。その結果、既知の植物カロテノイド生合成遺伝子と相同な遺伝子、PSY1,2, PDS1, ZISO1, ZDS1, CRTISO1,2, LCYb1, CYP97B1,2, ZEP1,2、を見出した。次に、これら遺伝子をRT-PCRによってクローニングし、大腸菌発現系を用いて機能解析を行った。その結果、PSY1,2, PDS1, ZISO1, ZDS1, CRTISO1,2, LCYb1, CYP97B2, について活性を検出することができた。 フコキサンチン生合成の下流経路(ビオラキサンチン以降)は不明だったので、ビオラキサンチンからフコキサンチンへの反応として、アレン結合化、ケト化、アセトアセチル化が起こると考え、それぞれの反応に関わる可能性のある遺伝子を探索したが、適当な候補遺伝子を見つけることができなかった。一方、アレン結合形成反応を触媒する酵素としては、珪藻のVDL1 (Violaxanthin deepoxydase-like 1) と相同なVDL1が見つかったので、その機能解析を行った。その結果、大腸菌を用いた機能解析では、活性を検出することができなかった。しかしながら、この解析の中で、珪藻のVDL1を用いて大腸菌で初めてネオキサンチンを生産することができるようになった。このことは、ネオキサンチン以降の反応の解析を大腸菌で行うことができることを意味しており、非常に意義のある成果であった。
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