研究課題/領域番号 |
21K05774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
吉川 尚子 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30392533)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | D-グルタミン酸 / D-アミノ酸 / クルマエビ |
研究開始時の研究の概要 |
水生無脊椎動物の諸組織中には、D-アラニンとD-アスパラギン酸が存在していることが知られているが、クルマエビでは雄の生殖腺においてのみ多量のD-グルタミン酸(Glu)が存在しており、このD-Gluは交尾の際に雄から雌へと受け渡される精包に分布していることから、クルマエビの発生過程において重要な働きをしているものと考えられた。そこで本研究では、受精卵から性分化に至るまでのクルマエビの各成長段階におけるD-Gluの分布を明らかにし、クルマエビの生殖におけるD-Gluの生理機能を解明する。
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研究成果の概要 |
クルマエビの雄性生殖組織に特異的に存在するD-グルタミン酸(D-Glu)の生理機能を解明するために、クルマエビの成長過程におけるD-Gluの分布を明らかにした。その結果、D-Gluは受精卵からは検出されず、孵化後の各ステージにおいても検出されなかったが、精巣が形成された80mm程度の個体の精巣において検出された。したがって、性成熟にともないD-Gluが精巣で生合成されていることが明らかとなった。また、精包を人工摘出すると、D-Glu含量の増加が認められたことから、精包の再生過程においてD-Gluが積極的に生合成されているものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甲殻類や二枚貝においては、古くからD-アミノ酸が存在することが知られているが、その生理機能については未だ明らかにされていない。クルマエビでは、諸組織中にD-アラニンおよびD-アスパラギン酸が存在しているが、雄性生殖組織においてのみD-Gluが存在することから、D-Gluは生殖機能に重要な役割を担っているものと考えられる。したがって、本研究成果は、動物におけるD-アミノ酸の未知なる機能を解明するだけにとどまらず、日本の重要な水産資源であるクルマエビの繁殖技術開発においても貢献できるものと考えられる。
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