研究課題/領域番号 |
21K05790
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
加川 尚 近畿大学, 理工学部, 教授 (80351568)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大胆行動 / ドーパミン / バソトシン / メダカ / 神経ペプチド / 慎重行動 / 群れ |
研究開始時の研究の概要 |
動物の多くは単独時に慎重になり、群れることで大胆になる。群れ個体における大胆行動は、動物が新たな餌場や生息地を獲得する上でも、捕食者から身を守る上でも、重要である。しかし、大胆または慎重といった行動が脳内のどのような分子機構によって調節されるのかは分かっていない。そこで、本研究では、群れなどの社会性行動を調べる上で優れた実験モデルとなるメダカを研究対象に用いて、種々の神経ペプチドや神経伝達物質を介した神経回路に着目して、大胆または慎重行動を調節する脳内機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
他個体がいると大胆な行動をとるメダカの脳内機構をドーパミン神経およびバソトシン(VT)神経に着目して調べた。大胆個体では脳の線条体領域や視索前野領域においてドーパミン合成酵素(TH1)の発現量が慎重個体よりも高かった。また、視索前野領域においてVT発現量が大胆個体で高かった。大胆個体では、線条体領域および視索前野領域においてVT受容体を発現するドーパミン神経細胞体の数が多かった一方で、視索前野領域においてドーパミン受容体を発現するVT神経細胞体はほとんどなかった。以上より、線条体領域や視索前野領域に局在するドーパミン神経によるVT受容が大胆行動時に重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大胆行動は動物個体群の生息域拡大や繁殖機会向上に繋がる重要な行動である。本研究により、大胆行動をとる魚類の脳の特定領域においてドーパミンが増加すること、神経ペプチドであるバソトシンをドーパミン神経が受容することがドーパミン増加に重要であることなどを明らかになり、大胆行動を調節する脳内機構とバソトシンの新規機能の解明に繋がる重要な知見を提供する点で、学術的に有意義な成果と考える。さらに、本研究で得られた成果は、魚類が忌避的環境に対抗する大胆行動を神経科学的に制御するような応用技術を開発する際に有用な基礎的知見となりうるものであり、水産増養殖への貢献という点において社会的意義のある成果と考える。
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