研究課題/領域番号 |
21K05793
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
河野 恵伸 福島大学, 食農学類, 教授 (70355478)
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研究分担者 |
山本 淳子 琉球大学, 農学部, 准教授 (00355471)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マーケティング倫理 / プロモーション / コミュニケーション / 消費者 / 六次産業化 |
研究開始時の研究の概要 |
六次化商品のプロモーションにおいて、明らかな法令違反ではないがマーケティング倫理に抵触するのではないかと危惧される誇張された表現を用いた事例がみられる。そうした誇張された表現に対して、消費者の許容範囲にあるかどうかについては、時代によって変化するとともに、地域の文化、生産者(販売者)と消費者との関係性などによって判断基準が異なると考えられる。そのため、現代において許容される境界領域がどの辺にあるか、境界領域を超えた場合にどのような影響があるかについて、地域や関係性別にWebアンケートや実験的なリサーチ手法を用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
マーケティング倫理の先行文献(水尾,2000)によると、マーケティングにおける非倫理的な行為には、故意に市場や社会を欺く場合と、軽率な判断に基づく結果として起こりうる場合の二つのケースがあるとされている。本研究では、後者の中でも明らかな法令違反ではないが、SNSで拡散されて、またはマスコミに取り上げられて社会的な批判にさらされた場合に、経営に影響が出る恐れのある表現を対象にしている。そして、それらの表現を「ある程度誇張」されたプロモーションとして抽出し、消費者の許容範囲にあるかどうかを明らかにすることを目的としている。 2023年度は、引き続きインターネット販売や福島県及び都県の農産物直売所での六次化商品の表示やPOPにおいて、あいまいな表現や消費者を誤認させる可能性がある表現の事例を収集し、「原材料」、「内容」、「効果」、「第三者の意見」などに分類し、それぞれについて代表的な表現を抽出した。例えば、「○○をふんだんに使用した」、「本格○○」、「忙しい○○の味方」、「○○で別格と評価されている」などである。 そして、抽出した表現について、生産者側が意図する意味づけや実際の内容を把握するとともに、消費者側がそれらの表現から受ける印象や許容状況をインタビューやプレテストにて把握した。これらの結果を合わせて本調査のアンケートを設計している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍が収束し、ようやく近隣県以外への調査が可能になり、「ある程度誇張」された表現の収集と現地調査ができるようになっている。また、共同研究者と研究会を開催することもできた。このように、収集した表現を用いた消費者調査を行う体制が整ってきており、今後は順調に研究が推進できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
仮想的に設定した「ある程度誇張」された表現を用いて、表現内容の区分ごとに許容範囲と設定した(仮想的な)事実を踏まえた許容可能性について、消費者調査を実施する。さらに、経営や地域への影響度合いを把握し、現時点での倫理的水準を画定する。
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