研究課題/領域番号 |
21K05811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 芳宏 京都大学, 農学研究科, 教授 (40283650)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 農業史 / 農業開発史 / ドイツ史 / 社会環境史 / ドイツ農業 / 社会史 / Programm Nord / 農村開発 / 戦後ドイツ史 / Programm Nord |
研究開始時の研究の概要 |
日本と比較した場合、戦後西ドイツの農業構造政策(農地整備事業)はしばしば「成功」と評価されてきたが、その要因として景観計画に基づく「合理的な」農村空間建設の経験が注目される。それはナチス農民入植政策を前史とし、戦後は西独の農業構造政策と東独の模範村建設事業へと継承される。とくに1950年代の両国の農業・農村開発政策は、戦後の大量難民などの農村社会問題や、機械化・化学化などの技術革新との結びつつ進行した。本研究ではこうした国家の計画に彩られた20世紀ドイツの農業・農村の開発政策について、社会史と環境史の複眼的観点から、東西ドイツの双方を対象に、その歴史的文脈を実証的に解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、計画の時代とも称される1930年代から1960年代の時期を対象に、ドイツの農業・農村開発事業について、「成功」とされるに至った歴史的文脈を、東西ドイツの双方を一体的にとらえ、かつ社会史と環境史の複眼的視点から実証的に解明することを目的とした。結果として、ドイツ農業・農村開発は帝政期の内地植民地政策を起点とし冷戦期にまで至る長期の歴史的な文脈(連続性/断絶性)を語ることが可能であること、そのさいに中東欧の民族問題・農業問題・人々の多様な移動の問題(戦争による大量難民を含む)と深く関連するものであるとの観点を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後日本の基本法農政のモデルとされた西ドイツの農業構造政策は、かねてより「成功」と評価されてきた。しかしその歴史的文脈についてはこれまでほとんど論じられてこなかった。本研究は、その「成功」の長期的要因として景観計画に基づく「合理的な」農村空間建設の経験が重要だったのではないか、そのより深い理解のためには欧州史・環境史・社会史という複眼的な視点からの長期的分析が有効ではないかという観点から、ナチス期から戦後東西ドイツにいたる農業開発史の歴史的文脈をあきらかにする。これにより本研究は20世紀中葉の「現代農業革命」についての新たな歴史的理解のみならず、戦後日本農業の比較史研究に資するものと考える。
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