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遠隔青果物産地における産地再編の構造と農協共販の理論に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K05815
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分41020:農業社会構造関連
研究機関北海道大学

研究代表者

板橋 衛  北海道大学, 農学研究院, 教授 (90289645)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード農協共販 / 遠隔青果物産地 / 産地再編 / 農協改革 / 生産部会 / 協同組合
研究開始時の研究の概要

遠隔青果物産地(北海道、四国、九州)においては、卸売市場への出荷とそこでの有利販売のために、販売品目の量的確保を生産者の結集軸としてきた農協による生産・販売体制が構築され、それが農協共販の論理であった。しかし今日では、生産者の多様化ときめ細やかな実需者ニーズに対応した生産・販売体制へと産地再編が図られつつあるのが現状であり、農協共販の論理も混迷している。本研究では、その産地再編の実態分析を農協事業と生産部会組織の分析を通して明らかにし、その実態から新たな農協共販の理論を実証的に検討する。

研究実績の概要

昨年度調査研究を進めた熊本県における野菜産地の農協と連合会機能に関する研究は、食農資源経済学会シンポジウムの座長解題という形で、「食農資源経済論集」に発表した。
調査研究としては、愛媛県の果樹産地における異なる農協間での2つの共選組織の合併に関する調査研究を進めた。この共選組織の合併は、1つの共選施設の老朽化と施設維持のための経費拡大が直接の契機ではあるが、そうした問題が生じた要因は、生産量の減少だけではなく産地(共選)における深刻な農協共販離れが要因であった。そのために施設利用者の経費負担が大きくなり、そのことが更なる農協施設利用からの離脱につながるという悪循環が進展していた。つまり、実質的にもう1つの産地(共選)の内部崩壊であり、もう1つの産地(共選)への吸収である。調査研究では、そこに至った経緯を、1990年代からの系統農協組織再編と関連した果樹産地再編と関連付けて分析し、その成果は協同組合学会で報告している。また、果樹産地の再編と系統農協組織再編という視点で、静岡県と和歌山県の果樹(柑橘)産地の調査研究を進め、未定稿ではあるが調査結果を取りまとめている。他方、北海道の青果物産地に関しては、作目転換と農協合併を背景としたミニトマト産地の再編動向に関して調査研究を行ったが、とりまとめをする段階には至らなかった。
その他、日本協同組合学会および関連する研究会などに参加して、農協共販論構築のための協同組合理論の情報収集に努めた。農協に関する統計からは、農協経営の動向が農協の農業関連事業に与える影響を強めている傾向が確認された。その分析も今後の課題と考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた地域・産地以外での聞き取り調査および資料収集を実施しているが、研究対象である遠隔青果物産地(北海道、四国、九州)の全てについて実態調査を基本とした研究を進めることはできていない。また、第29回全国農協大会の内容に即した各農協の事業展開が、農協による産地運営に与えている影響に関して検討することができているが、農協共販理論と関連した分析までには至っていない。

今後の研究の推進方策

本年度も遠隔青果物産地(北海道、四国、九州)を対象とした、産地(農協、生産部会、連合会)への聞き取り調査や資料収集を進める。また、これまでに得られた研究成果は、学会発表や論文執筆を行う予定である。
農協共販の理論的な検討は、文献などによる検討・考察を継続する。今年度は3年に1回の全国農協大会が開催される年であり、農協全体の運動方針が示される。前回の農協大会から、地域農業振興計画の策定・実践を明確に運動方針に位置づけており、農協段階での産地形成への取り組みと農協共販のあり方についての考え方の提示が注目され、そのことの把握に努める。
また、系統農協は、「自己改革」の継続として農業関連事業に重点をおいて農業者の農業所得向上につながる事業展開を重視しているが、農協経営の問題もあり、必ずしも十分な資源を農業関連事業に投入できるわけではない。そういった点から、青果物産地の実態調査においては、生産・流通の状況と関連して農協経営を取り巻く今日における実態把握にも努め、総合的に検討して理論構築を試みていきたいと考えている。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 遠隔青果物産地における農協マーケティングのあり方を考える2023

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 雑誌名

      食農資源経済論集

      巻: 第74巻第1号 ページ: 65-72

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 農協における営農経済事業の展開と今日的課題2023

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 雑誌名

      協同組合研究誌

      巻: No.684 ページ: 7-16

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 近年における農業公社の機能の変化に関する統計的分析2023

    • 著者名/発表者名
      金丸大輔・板橋衛
    • 雑誌名

      農経論叢

      巻: 第76集 ページ: 69-77

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 第29回(2021年)JA全国大会組織協議案の分析 道県域から「めざす姿」を考える2021

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 雑誌名

      農業・農協問題研究

      巻: 第76号 ページ: 75-81

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] シンポジウム「協同組合と大学」コメント2021

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 雑誌名

      協同組合研究

      巻: 第41巻第2号 ページ: 34-37

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 果樹産地の農協における選果場(共選)統合と産地運営2023

    • 著者名/発表者名
      板橋衛・星野愛花里
    • 学会等名
      日本協同組合学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 遠隔青果物産地における農協マーケティングのあり方を考える(座長解題)2022

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 学会等名
      食農資源経済学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] シンポジウム「協同組合と大学」コメント2021

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 学会等名
      日本協同組合学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 北海道における農協営農経済事業の特性と組合員参加、坂下明彦『内地からみた北海道の農業と農協』pp.106-1192023

    • 著者名/発表者名
      板橋衛
    • 総ページ数
      150
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      9784811906409
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 農協共販の社会経済的役割と展望、野見山敏雄・安藤光義編『環境変化に対応する農業市場と展望』pp.169-1922022

    • 著者名/発表者名
      板橋衛・林芙俊
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      筑波書房
    • ISBN
      9784811906379
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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