研究課題/領域番号 |
21K05819
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41020:農業社会構造関連
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
片岡 美喜 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (60433158)
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研究分担者 |
高津 英俊 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (40825759)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 農業遺産 / 農業の担い手 / 地域農業 / 農業経営組織 / GIAHS / 世界かんがい施設遺産 / 世界農業遺産 / グリーンツーリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界/日本農業遺産等の国内認定地域を対象に持続的な地域農業マネジメントシステムの形成要因の解明を行い、農業経営と「農業遺産」保全が両立した地域農業のあり方を提示することを目的とする。特に世界農業遺産申請時の「行動計画」において策定される農業者および自治体や関係団体等による「農業遺産保全と持続的営農のための組織化」の実態に着目し、農業・農村保全を含めた地域農業のあり方を提示することをめざす。 本研究の実施は、持続的な地域農業マネジメントシステムの形成に求められる理論構築を試みることで、今後の農業経営組織や政策の方向性を示す可能性を有している。
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研究実績の概要 |
本研究は、世界/日本農業遺産等の国内認定地域を対象に、持続的な地域農業マネジメントシステムの形成要因の解明を行い、農業経営と「農業遺産」保全が両立した地域農業のあり方を提示することを目的としている。 本年度は、研究成果として、著作2本、学会発表2報告を実施した。「グリーン・ツーリズムのゆくえ―農業・農村の価値を高める認定制度を活用して―」では、グリーン・ツーリズム推進の観点から、各種認定制度の概説と観光活用のあり方について考察を行った。農業・農村資源を活用した観光のあり方として、これまでは観光農園などレジャー利用が展開されていたが、近年は減少傾向にあり、変化がうかがえた。消費者は農産物の直売による購入や、生産者との関わりを求めたより深い農業体験などを求める傾向が分かった。こうしたことから、農業遺産をはじめとした各種認定制度に登録された地域において、それぞれの地域が認定されるに至った歴史的・文化的価値の情報を景観とともに伝え、ヘリテイジツーリズムとしての価値を高める重要性に言及した。加えて、現状での取組が途上である点についても指摘している。 また、本年度の研究から、各種遺産制度への登録地域は、気候変動や政策による影響を受けており、農業遺産の価値の変化およびその維持という課題が明確化された。次年度以降において、各地域での政策および実践に関しての分析を行うとともに、更なる現地調査の実施を進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は新型コロナウィルス等による行動制限が緩和され、本研究課題の対象となる地域においての現地調査の受け入れなどの対応が可能となった。しかしながら、本務校における管理職に従事しており、積極的な研究遂行が制限される状況であった。 前年度までのコロナ下による行動制限と今年度の職務の状況により、本研究課題の進捗への影響を鑑み、積極的な調査実施には至っていないこともあったため、次年度以降において一層の進捗に励みたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後の本研究課題の推進については、本研究課題の総括を行うために、関連する機関および農業遺産等認定地域に対する現地調査の実施を一層進めると同時に、質問票調査も含めた量的な実態把握を積極的に進めたい。 一方で、農業遺産地域のなかには被災による多大な影響を受けた地域もあり、とくに登録された耕作地の被害が激しい状況がある。こうした状況がいかなる影響をもたらしているか、復興の方策はいかなるものかという検討も必要であると思われる。
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