研究課題/領域番号 |
21K05838
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
木村 延明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (40706842)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 少ないデータ量 / 深層学習 / 水位予測手法 / 物理モデル / 転移学習 / 少ない量のデータ / 排水管理 / データ補完技術 |
研究開始時の研究の概要 |
効率、かつ迅速な低平地の排水管理を行なうために、深層学習モデルを導入した水位予測手法が必要であるものの、深層学習モデルの実行に不可欠な良質、かつ大量の観測データの収集に時間と労力を奪われることが課題である。これを解決するために、物理モデルを導入し、観測値の代替となる擬似データを生成する。さらに、あるデータのパターンを別のデータに転移する「転移学習」を導入することで、疑似データを観測値に近似できる。このように、物理モデルに起因する誤差を含む疑似データをより現実的なデータに修正し、データ補充を行うことで、観測データが不十分な場合にも物理モデルと深層学習モデルによって高精度な水位予測を可能にする。
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研究成果の概要 |
本研究では、河川や農業水利施設(例:排水機場)の大規模洪水を対象に、水位予測を行うための深層学習によるAI予測モデルを構築することが目的である。大規模洪水のようなデータサンプル数が少ない事象の場合に、AI予測モデルはデータ駆動型モデルのために十分な能力が発揮できない。そこで、まず、物理モデル(例:流出解析モデル)等で大規模洪水に匹敵する仮想データを人工的に多く生成し、それらをAI予測モデルの学習データとして用いて、事前学習モデルを構築した。次に、実測値の特徴を取り込むために、少ないサンプル数の実測値を用いて事前学習モデルの一部を再学習させること(転移学習)で、高精度な予測手法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義について、一般に、深層学習モデルは、データサンプル数が少ない場合には、予測精度が劣るものの、その欠点を補うために物理モデルからの疑似データを割増し、さらに、転移学習で疑似データの特徴をサンプル数が少ない対象に転移することで、予測精度の向上が可能な手法(物理ガイド深層学習モデル)を開発した。 社会的意義について、現地の観測データのサンプルが少ない場合でも、物理モデルで疑似生成された大量のデータを併用して学習する、物理ガイド深層学習モデルは、現地への適用を通して、実用的に有用であることを明らかにし、さらに、データ保有に関して同様な条件の他の地区へ普及させる可能性が見出せた。
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