研究課題/領域番号 |
21K05846
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
高橋 一義 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (00332651)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 茎葉の鉛直分布 / LiDAR / 点群の鉛直分布 / レーザフットプリントサイズ / 草丈 / 茎数 / レーザ入射角 / フットプリントサイズ / 茎葉鉛直分布 / 精密農業 / レーザスキャナ / 生育モニタリング / ドローンセンシング |
研究開始時の研究の概要 |
ドローンレーザセンシングは、田植え後1ヶ月~出穂直前の水稲の生育量推定に有効な手段である。これまで非測量用LiDARで計測した「群落点群の鉛直分布」を分析し、生育診断等に利用される草丈・茎数を推定するLiDAR計測基礎手法を開発したが、「点群鉛直分布」は計測条件により変動する性質を持つ。本研究では「群落の茎葉鉛直分布」と「計測条件」からLiDAR計測される点群鉛直分布を推定する群落数理モデルの開発やLiDAR計測実験データによる数理モデル同定を通じて点群鉛直分布の計測条件依存性を解明することを目指す。また同定したモデルの入出力を逆転させ、点群鉛直分布群から茎葉鉛直分布を推定することを試みる。
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研究実績の概要 |
ドローンLiDARリモートセンシングによる水稲生育測定手法の汎用化には,水稲群落へ入射するレーザー光のフットプリントの形状・大きさと入射角といった計測条件と,記録されるレーザー計測点の鉛直分布(点群鉛直分布)の関係を明らかにする必要がある.本研究は,レーザー計測で取得される点群鉛直分布を推定する群落数理モデルの開発を通じて、レーザー計測条件と水稲の群落茎葉の鉛直分布の関係を理解し,申請者が開発した水稲草丈・茎数推定基礎手法の汎用化を目指すものである.当該年度は,昨年度に引き続きドローンLiDARによる水稲群落のレーザー計測と水稲の群落茎葉の鉛直分布などの生育データの取得を実施し,レーザー光のフットプリント形状と点群の鉛直分布の関係と実測データを用いた群落数理基礎モデル(昨年開発)の妥当性の検討に取り組んだ. ドローンLiDARによる水稲群落のレーザー計測では,研究協力を得られた農家の水田を対象に6月~7月まで,概ね10日間隔でレーザー入射角と飛行高度を変えて水稲群落の点群を取得した.対象水田は機械移植のため条間と株間が異なる.そこで,条間に直交・平行な飛行経路を設定し,飛行経路が交差する水稲群落領域において,フットプリント形状により点群鉛直分布に差が生じるか検討した.期間を通じた解析ではフットプリント形状により点群鉛直分布に差は生じなかった.また,群落数理基礎モデルが出力する点群鉛直分布の再現性をレーザー光計測で取得した点群鉛直分布と生育データを用いて評価した.1シーズン分の茎葉の鉛直分布と植被率を群落数理基礎モデルに入力し,モデルパラメータの同定したところ点群の鉛直分布の推定値と実測値が高い相関係数(0.91以上)を示した.モデルパラメータが生育初期を除き,概ね一定値であったことから群落数理基礎モデルが点群鉛直分布の推定に有効であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き,ドローンLiDARによる水稲群落のレーザー計測と層別刈取りによる群落の茎葉鉛直分布の実測を複数回実施し,異なる生育状態の茎葉鉛直分布と点群鉛直分布のデータセットを整備した.そして,レーザ光が群落に鉛直入射する条件において,群落数理基礎モデルにより,所与の茎葉の鉛直分布から点群の鉛直分布を推定した.期間を通じた分析の結果,群落数理基礎モデルが出力する点群の鉛直分布は実測の点群鉛直分布と高い相関を示し,群落数理基礎モデルの有効性を確認した.ただし,予想よりも使用するLiDARのフットプリントサイズが水稲群落に対して大きいため,より低い飛行高度にて水稲レーザ計測を実施する必要があることを再認識した.
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今後の研究の推進方策 |
ドローンLiDARによる水稲群落のレーザー計測と層別刈取りによる茎葉の鉛直分布の実測を複数回実施する.これまで整備したデータセットを用いて,異なる高度,レーザー光の―斜め入射条件領域において,群落数理基礎モデルの有効性を確認する.また,群落数理基礎モデルの入力と出力の関係を入れ替えるため,機械学習もしくは深層学習手法を用いて,点群の鉛直分布から茎葉の鉛直分布を生成する方法を検討する.
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