研究課題/領域番号 |
21K05859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
藤田 かおり 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 生物資源・利用領域, 主任研究員 (50435939)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | SEM-EDS / デンプン / 二次代謝物質 / 局在可視化 / イメージング / 植物二次代謝物 / 可視化 / ルチン / ソバ |
研究開始時の研究の概要 |
血管収縮抑制作用や抗酸化能で知られるルチンは、多くの食品、生薬の成分として利用される植物二次代謝物であり、近年、作物の高付加価値化を目指した育種のターゲットとして注目されている。しかし、植物体内のどこで、どのように生合成されているかを可視的に捉えた研究はない。本課題では、微細組織構造観察を得意とするSEM-EDSと蛍光顕微鏡等蛍光分析を組み合わせることで、植物体におけるルチン等の植物二次代謝物質の可視化手法確立を目指し実施するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、植物二次代謝物質、特に血管収縮抑制作用や抗酸化能で知られるルチン等の植物二次代謝物質を対象とし、微細組織構造観察を得意とするSEM-EDSと蛍光顕微鏡等蛍光分析を組み合わせることで、植物体上での二次代謝物質の可視化観察手法を確立することを目的とする。 今年度は、蛍光顕微鏡下における植物体上の二次代謝物質の蛍光情報取得および判別方法の確立として、同一ソバ子実をSEM-EDSおよび蛍光分析等他の分析に供試するための条件検討を行なった。特に、昨年度確立させた穀物子実体の組織薄層化手法を用いることで、従来SEM-EDSで穀物子実(特に軟澱粉質の穀物子実)の内部構造観察の際に課題となっていた空隙由来の帯電によるチャージアップ等が軽減された。これにより、サンプル破損を軽減しつつ、高倍率での組織内部構造観察を可能にした。またSEM-EDSにおいて帯電防止のために要したC, Au, イオン液体等の複数回コーティング等も不要となることから、コーティングの薄層化による微細構造観察の可能性を示唆する結果が得られた。他方、蛍光観察では、昨年度確立した組織薄層化手法をソバ子実由来の蛍光に干渉しない素材を用いるなど、手法の最適化を行うことで、ソバ子実薄片化の状態での蛍光観察を可能にした。従来の蛍光観察ではサンプル深部からの蛍光情報が複合的に表層部の蛍光情報として取得されるため、複雑な組織構造を持つ穀物子実では、蛍光観察には限界があったが、本手法により、従来サンプル深部からの蛍光情報を物理的に排除・軽減させ、組織毎の精緻な蛍光情報を取得することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の分析法では穀物子実の割断面を観察対象とするため、サンプル厚による深部からの蛍光情報と表層組織の蛍光情報が混在情報として取得されるため、波長分離が不可能であった。今年度は昨年度開発した組織薄層化手法を蛍光観察用に最適化することで、対象サンプル以外の蛍光情報を排除しつつサンプル深部からの蛍光情報を物理的に軽減させた手法の確立を行った。これにより、同一サンプルでSEM-EDSと蛍光観察を実施することを可能にするなど、充分な研究進捗となった。
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今後の研究の推進方策 |
ソバ等の子実体を対象として、同一栽培条件における異なる種と生育段階の異なるサンプル等を適宜収集し、植物二次代謝物質の挙動解明を試みる。手順としては上記子実体を対象に、R4年度までに確立した手法を応用することで、登熟過程における二次代謝物質等の子実内局在変異を可視化観察することを試みる。特に登熟過程のソバ子実は非常に小さく、また多くの水分を有する点が課題である。水分の多いサンプルはSEM-EDSが最も苦手とするところである。同じく蛍光体は水分による変質は少ないが、乾燥条件により、蛍光波長が変化するなどがある。またそれ以前として、植物体は乾燥による収縮等が大きく、特に組織構造毎に水分変化が異なることから、水分は植物観察系の分析を困難にさせる要因である。そこで本課題では、本年度の課題を通じ、これらのサイズ的および水分処理等を含めた検討を実施することで、新たな穀類観察手法の開発に繋がる成果算出も試みたい。
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