研究課題/領域番号 |
21K05864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
深津 時広 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, グループ長 (40355483)
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研究分担者 |
坪田 将吾 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, 主任研究員 (90643388)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 群落内計測 / 有線ドローン / 風圧モニタリング / 施設栽培 / 群落内作物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、施設内を安全に飛行できる有線ドローンを開発し、さらにドローンの風圧を利用して群落内や葉の裏まで計測できるモニタリングシステムを提案する。有線ドローンによる作物の生育状態を詳細に計測する手法を確立することで、栽培管理の効率的支援や新たな情報蓄積に伴う新知見の発見に繋がる、基盤的な技術を提供する。
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研究実績の概要 |
本研究では、施設栽培環境下における作物の栽培管理を効率的に行うにあたり、ドローンの有効活用について検討を進めている。ドローンは広域を効率的かつ詳細に計測できるため、作物群落内の様子を把握するのに有効であるが、ワイヤなど障害物が多くGNSSの受信が不安定な施設内で安全に飛行させることは難しい。一方で、ドローンが飛行するさいに発生する風圧を利用することで、詳細な作物計測や受粉などの栽培管理支援が期待される。特にイチゴ栽培における群落内には、作物の生長状態を把握するのに重要な新葉が隠れているため、ドローンの風圧を利用してこれを計測できれば収量予測や生育診断を高精度に行うことができる。 そこで本研究では、施設内を安全に飛行できる有線ドローンの実現や、ドローンの風圧を利用した群落内の新葉や葉の裏などの計測を行うための課題解決方法について検討する。有線ドローンについて本年度は、有線ドローンを試作して次の実験を行った。ワイヤの敷設状態(ドローンの上部/下部、本数・張力など)によって、安定性・作業性・制御アルゴリズムにどのような影響を与えるか、実現性や有効性が高い方式は何なのか、などについて施設内で試験飛行を行いながら検討を進めた。風圧モニタリングについて本年度は、有線ドローンで作物列上を移動観測した時系列画像データから各作物個体に新葉が新たに発生したか否かを自動で識別するために、作物個体に普遍的IDを付与して識別する画像処理手法を開発した。また群落内観測のために加える風圧が花に及ぼす影響について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の推進体制として、有線ドローンの研究と風圧モニタリングの研究に分けて同時並行で進めながら、担当者同士による情報交換を密に行っている。2022年度の研究計画に従い、有線ドローンについては機体設計・制御アルゴリズムの開発について試験飛行を行いながら進めており、順調に進展している。風圧モニタリングについても、取得した画像から対象・作物個体を認識する画像処理手法について開発を行っており、順調に進展している。また、既に得られた知見に対して研究発表や特許出願なども行った。また昨年度の今後の推進方策でも示した通り、研究課題の応用・拡張として風圧を利用した受粉などの栽培管理支援の可能性が考えられたため、本研究課題をベースにした次の研究プロジェクトの応募についても検討を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行った研究をベースに、有線ドローンについては飛行制御アルゴリズムやワイヤ敷設方法・保持機構の改良を進めるとともに、有線ドローンの有効性や実現性について明らかにしていく。また非GNSS型ドローンなど他の方法などについても調査・検討を進めていく。風圧モニタリングについては、作物個体識別に基づく新葉発生検知等の画像処理アルゴリズムの開発を進めていくとともに、作物の生育情報を取得する新たな手法としての構築を目指す。また、それぞれの研究課題の応用・拡張についても検討を進めていく。
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