研究課題/領域番号 |
21K05868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
星野 友紀 山形大学, 農学部, 准教授 (20530174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 穂発芽耐性 / イネ / QTL / 責任遺伝子 / 穂発芽 / 量的形質遺伝子座 / 突然変異 / ファインマッピング / 品質安定化遺伝子 / 穂発芽耐性遺伝子 / 環境適応 |
研究開始時の研究の概要 |
人間活動の高度化に端を発する気候変動は、近い将来、確実に穀物の生産力を低下させる。これを食い止めるには、穀物の品質安定化が必須である。本研究は、穀物の品質を安定させる対象に「品質安定化=穂発芽耐性」を選定する。なぜなら、穂発芽によって貴重な穀物品質が脅かされているからだ。自然変異から穂発芽耐性遺伝子を探索するには一般的に耐性品種を用いるが、その場合既知の遺伝子座が検出されることが多く新規性に乏しい。本研究では新規性を求めて、あえて感受性品種を用いることで、親の表現型では耐性形質がマスクされ、自然変異中に隠れて存在する貴重な耐性遺伝子に焦点を当てる。
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研究実績の概要 |
コシヒカリ(Ksh)と穂発芽耐性の強いインド型イネNona Bokra(Nona)を用いたQTL解析によって見出されたqSdr6bの責任遺伝子は、GeneAであると推定された。本研究では、このGeneAが真にSdr6bの責任遺伝子であるかを検証するために、Ksh突然変異集団からgenea突然変異体を単離し、逆遺伝学的な証明を試みた。Ksh突然変異集団の中から、GeneA領域に独立した非同義置換を有する6系統を選抜した。発芽試験の結果、独立した4系統では、野生型と比べて変異型のGIが有意に低かった。これらの結果は、GeneAがqSdr6bの責任遺伝子であるという仮説を裏付けるものであった。また、シロイヌナズナのGeneA相同遺伝子は、膜貫通タンパク質をコードしており、グルコースに応答して発芽を制御することが考えられたため、この仮説を検証するために、外因性グルコースによる発芽遅延試験を実施した。その結果、2%グルコース処理では、NIL(Sdr6b)のGI%は76.6 ± 2.1%であり、Kshの84.2 ± 1.6%と比べて有意に低かった。さらに、グルコース処理3時間後の胚において、NIL(Sdr6b)におけるABA8ox1の発現量は、Kshと比較して有意に減少していた。つまり、GeneANonaの機能欠損型は、ABA8ox1の発現量が低下することによってABA含量が高まり、穂発芽耐性を獲得していると考えられた。本研究において、Sdr6b/GeneANonaはABA代謝の上流で、これまでに穂発芽耐性に関してほとんど報告のないグルコース応答に関与し、ABAシグナル伝達を強化させることで穂発芽耐性に導くことが示唆された。今後は、本研究で明らかにされたSdr6b/GeneANonaを利用して、昨今の異常気象にも耐え得る、新たな穂発芽耐性品種の育成が期待される。
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