研究課題/領域番号 |
21K05872
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
上村 直史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (50646528)
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研究分担者 |
亀井 一郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (90526526)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | リグニン / センサー / フェルラ酸 / バニリン酸 / 環境分析 / 転写制御 / 蛍光タンパク質 / 環境試料 / バクテリア / 白色腐朽菌 / 木粉 / センサー細菌 / 芳香族化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
リグニンは自然界で「真菌等による高分子構造の解体」と「生成した芳香族化合物の細菌による代謝」を経て無機化される。一方、環境中ではリグニンの解体で生成する芳香族化合物が速やかに分解されるため、化学分析ではほとんど検出されない。このため、環境中でのリグニンの解体と細菌による代謝は明らかでない。本研究では、申請者が開発した低分子芳香族化合物の代謝を検出できるセンサー細菌を用い、自然環境におけるリグニン由来化合物の存在と、真菌による木材腐朽時に実際に細菌がリグニン解体物を代謝するかどうかの解明に取組む。本センサーは、木質バイオマス利用のための変換状況、木材腐朽状況の評価等に応用が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、申請者が開発した様々な低分子芳香族化合物の代謝を検出できるセンサー細菌を利用し、自然環境におけるリグニン由来化合物の存在と、真菌による木材腐朽時に実際に細菌がリグニン解体物を代謝するかどうかの解明を目的とした。環境試料の解析から、化学分析では同定できなかった低濃度・多種類の芳香族化合物(単量体やオリゴマー)を細菌が代謝していることが示唆された。白色腐朽菌のPhanerochaete chrysosporiumによる腐朽木材を用いた解析では、腐朽によりセンサーの応答が顕著になったことから、真菌によるリグニン分解により生成した芳香族化合物を実際に細菌が代謝する証拠を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然界におけるリグニンの分解においてブラックボックスであった、真菌による高分子リグニンの分解と細菌によるリグニン由来低分子芳香族化合物の代謝をつなぐ知見を得るためのツールとして、細菌センサーが有効であることを実証し、リグニン由来化合物のモデル分解細菌として位置づけられているSphingobium lignivorans SYK-6株が、環境中または白色腐朽菌によるリグニンの生分解生成物を代謝できることを明らかにした。また、本研究では、センサー細菌に関する派生テーマとして、リグニンの化学分解物からポリマー原料を生産する細菌の改良に有益な、ポリマー原料化合物の応答センサーを開発した。
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