研究課題/領域番号 |
21K05901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
三上 奈々 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (80700278)
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研究分担者 |
豊留 孝仁 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90422245)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ドライ熟成肉 / 接合菌 / 香気成分 / オレイン酸 / 酵素 / ケカビ類 / 脂質関連酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
ドライ熟成肉(DAB)は独特な香りや味わいを特徴とする食肉製品である。DABの美味しさには肉表面の真菌類が関与していると言われるが、その作用を示した学術的報告はほとんどない。研究代表者らは最近、北海道で製造されたDABから3種類のカビ(Mucor flavus、Helicostylum pulchrum、Penicillium属)を単離し、これらがDABのナッツ香や味わいに関与することを示唆した。 本研究ではどのカビが、又はどの組み合わせがDABのナッツ香や味わいをもたらすかを明らかにしていく。特に、カビ類が持つ脂質代謝酵素の働きに注目し、その活性や代謝物の生成を通して生成機構を解明する。
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研究成果の概要 |
ドライ熟成肉は、低温庫内で肉塊を空気に晒し数週間寝かせた肉である。肉表面のクラストには真菌類が生育し、これらの酵素が独特の熟成香や味わいをもたらすと言われるが、根拠はない。 代表者らは、クラストから2種の接合菌Mucor flavus・Helicostylum pulchrumを分離・同定した。同じ接合菌であるMortierella属菌が活発に脂質を代謝することから、2つの接合菌が脂質から香りや味わいを生成すると予測したが、脂質よりもアミノ酸やペプチド等のタンパク質源を資化し、プロテアーゼの産生も認められた。これらより、接合菌による香りや味わいの増強はタンパク質成分に由来する可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドライ熟成肉は昨今外食産業などで注目される一方、国内外で製造基準や規格基準が整備されていない状況である。そのため、製造業者によって肉質や安全性のばらつきが大きく、多様な製品が出回っている。ドライ熟成肉の最も重要な特徴である香りや味わいを突き詰め、これまで漠然としか評価されて来なかった美味しさを科学的に解明することで、安全性や美味しさの制御が可能になると考える。また、当該研究課題の推進をきっかけとしてデータを積み重ねていくことができれば、これらの科学的根拠は将来的なドライ熟成肉の製造・規格基準策定の骨子となりうる。
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