研究課題/領域番号 |
21K05915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
山田 慎二 岩手大学, 農学部, 准教授 (40755956)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 牛伝染性リンパ腫 / リキッドバイオプシー / miRNA / リンパ腫発症診断 / 地方病性牛白血病 / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
牛白血病ウイルス(BLV)感染症では、長期間の無症状キャリアー期を経て一部の感染牛がリンパ腫を発症することが知られている。BLV感染症に対する検査としてはウイルス感染の診断(病原体・血清診断)およびリンパ腫の臨床診断が行われているが、無症状期に発症リスクを予測できる検査技術については報告がない。本研究では、血液中からリンパ腫の病態進行を反映するmicro RNAを探索し、リンパ腫発症を予測するためのリキッドバイオプシー診断技術の確立を目標とする。無症状期においてリンパ腫発症リスクを予測できれば、BLV感染症対策として大きな役割を果たすことが期待できる。
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研究成果の概要 |
牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)感染症では、無症状キャリアー期を経て一部の感染牛がリンパ腫(EBL)を発症することが知られている。BLV感染症では感染を判別する診断(病原体・血清診断)とリンパ腫発症の臨床検査が行われているが、無症状期にEBL発症リスクを予測する技術については確立されていない。本研究では、BLV感染症におけるmiRNA発現とEBL発症の関係を調べ、EBLの早期発症マーカーとなり得る血中miRNAの探索を目的とした。その結果、EBL未発症牛と比較してEBL発症牛では血清中に宿主由来bta-miR-375が増加することが明らかになり、EBL早期診断への可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果からBLV感染牛においてEBL発症時に血清中bta-miR-375が増加する可能性が示唆された。ヒトでもhsa-miR-375はがん疾患との関連が示唆されているが、Ⅰ型糖尿病などの自己免疫性疾患への関与を示す報告があり、EBL発症とbta-miR-375の関連性について更なる研究が必要であると考えられた。BLV感染症におけるEBLの大部分は屠畜場において発見されることが多く、固形腫瘍が発見されると全廃棄処分となってしまう。早期(無症状キャリアー期)にEBL発症リスクを予測できれば、高リスク牛の早期出荷や淘汰などの対策が可能となり、農場経営に一定の役割を果たすことが期待できる。
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