研究課題/領域番号 |
21K05917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
原田 和記 鳥取大学, 農学部, 准教授 (80549543)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ESBL産生菌 / 犬 / 猫 / 抗菌薬治療 / 伴侶動物 |
研究開始時の研究の概要 |
基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌は原則的に全ての動物用抗菌薬が無効な多剤耐性菌であり、伴侶動物における本菌の感染症は難治性かつ致命的となりやすい。しかし、獣医療におけるESBL産生菌感染症に対する治療指針やガイドラインは未だ確立されておらず、本感染症に有効な治療用抗菌薬についても十分に検討されていない。 本研究では、犬及び猫のESBL産生菌感染症に対する抗菌治療法の確立を目的に、複数の候補抗菌薬について、ESBL産生菌野外株に対する感受性調査、実験犬猫を用いた薬物動態学/薬力学解析を実施する。さらに、実験犬猫を用いた安全性試験及び症例を用いた臨床試験を実施しその実用化を目指す。
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研究実績の概要 |
犬猫由来の基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生性のKlebsiella pneumoniae 120株、Proteus mirabilis 29株、Enterobacter cloacae 69株についてさらに解析を行った結果、8 株のK. pneumoniae及び15株のE. cloacaeが同時にAmpCの産生(主にプラスミド媒介性)を行うことが判明した。薬剤感受性試験の結果、セフメタゾール(CMZ)及びフロモキセフ(FMX)については、AmpC同時産生株では高い最小発育阻止濃度を示すことが判明し、特にE. cloacaeでは著しく感受性が低下することが判明した。一方で、ラタモキセフ(LMX)についてはこれら2剤と比較すると感受性の低下はあまり認められず、同じセファマイシン系抗菌薬であってもin vitroでの有効性は異なることが示唆された(本結果については論文として受理済み)。 一方で、LMXの実験犬に対する投与実験を行い、その血中動態からLMX単回静脈内投与時のPKパラメータを10000回のブートストラップ法により解析したところ、半減期1.24時間、クリアランス1.50L/h、分布容積2.70Lを得た。これらのPKパラメータに加えて、PDパラメータとしてESBL産生大腸菌の最小発育阻止濃度分布を、解析ソフトCrystal Ballに組み入れて10000個体の仮想母集団における治療成功率(ターゲット値はTime above MIC%が40%以上)を算出した。その結果、PK/PDブレイクポイントは1日2回投与時で4mg/kg、1日3回投与時で8mg/kgと、CMZよりも高い値となった。当該結果とin vitro調査の結果を比較検討すると、LMX 40mg/kg BID及びTID投与は、犬のESBL産生大腸菌及びKlebsiella属菌の感染症に対して有効である可能性が示唆された(当該内容は学会にて発表済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ESBL産生菌感染症に対する治療候補薬であるセファマイシン系薬剤3種類についての分離細菌に対するin vitroでの調査を終了することができ、また、同時並行で進めている犬における薬物動態学に関する調査も順調に実施できているため。
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今後の研究の推進方策 |
実験実施者としての学生及び大学院生の増員を検討する。また、協力可能な他研究機関や動物病院との連携も模索する。
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