研究課題/領域番号 |
21K05923
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
谷口 喬子 (岩田喬子) 宮崎大学, 産業動物防疫リサーチセンター, 研究員 (50500097)
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研究分担者 |
三澤 尚明 宮崎大学, 産業動物防疫リサーチセンター, 特別教授 (20229678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 牛趾乳頭腫症 / Treponema phagedenis / Polymicrobial Infection / 酪酸 / 代謝相互作用 / 牛胎児血清 / 乳頭腫性趾皮膚炎 / 短鎖脂肪酸 / F. endometrii / 趾乳頭腫症 / Treponema / 牛 |
研究開始時の研究の概要 |
牛の趾乳頭腫症(Papilloumatous Digital Dermatitis;以下PDD)は疼痛を伴う蹄の伝染性限局性皮膚炎である。その病変からは多くの細菌が検出されており、T. phagedenisを主体とした複数の細菌による感染症(Polymicrobial Infection)であると考えられているが、その病原性や発症機序は不明である。本研究課題では、T. phagedenisとPDDに関与する病原細菌群の各菌の病原体としての特性を明確にするとともに、T. phagedenisの病原性をサポートする病原細菌群の探索および宿主の免疫応答にも焦点を当てた解析を進め、細菌群と宿主の両面からその発生要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
牛の趾乳頭腫症は、疼痛を伴う蹄の伝染性限局性皮膚炎である。病変内から検出されるTreponema phagedenisは難培養性で、増殖速度が極めて遅いにも拘らず最も優勢に検出される。PDD病変部から分離されたFalsiporphyromonas endometreの培養上清は、T. phagedenisに対して増殖促進効果を示した。その培養上清からは高濃度の酪酸が検出され、酪酸の添加はT. phagedenisの増殖を促進した。これらの結果は、T. phagedenisとPDD病変部から分離された細菌との間に代謝相互作用があることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
牛の趾乳頭腫症は、疼痛を伴う蹄の伝染性限局性皮膚炎である。罹患牛は疼痛を伴うため跛行を呈し、体重減少、泌乳量低下等が認められ、経済的損失の大きい疾患である。その病変からは多くの細菌が検出されており、複数の細菌による感染症であると考えられているが、その病原性や発症機序は不明である。本研究では、病変部に存在する最優性菌種の1つであるTreponema phagedenisと、病変部から分離された細菌との間に代謝相互作用があることが示唆された。この結果は、今後、発生要因解明に繋がる新たな知見であると考えられる。
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