研究課題/領域番号 |
21K05926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
岡村 雅史 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70374775)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サルモネラ / 病原因子 / 家禽チフス / 病原性関連遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が同定した家禽チフス発症機序に関与する50種類の病原性関連遺伝子のうち、ratAの家禽チフス発症機序における役割を明らかにする。すなわち、(1)ratAが上皮細胞への菌の接着・侵入に寄与する程度の評価、(2)RatAタンパク質が相互作用する宿主上皮細胞側の因子の同定、(3)抗RatA抗体によるSGのin vitro上皮細胞接着阻害およびin vivo感染制御効果の評価を行う。これにより、SG独自の病原機構の解明と家禽チフスの効果的な予防法開発へと展開するための研究基盤を確立することができ、同様の敗血症を引き起こす他の血清型によるサルモネラ感染症の制御への応用も期待される。
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研究成果の概要 |
鶏生体内で強く発現するSGの遺伝子の1つであるratAを欠損したSGΔratAの鶏に対する病原性が野生型と比較して著しく低下したことから、ratAがSGの病原性に寄与していることを明らかにした。しかし、その相補株の鶏における病原性は野生型レベルまで復帰しなかった。そのため、ratAの下流遺伝子であるratBおよびshdAの発現抑制の可能性に着目した。各遺伝子を欠損したSGΔratBおよびSGΔshdAについても鶏における病原性を調べたところ、いずれもSGΔratA変異株ほどの病原性の低下は認められなかった。すなわち、これら2遺伝子の病原性への関与はratAと比較して部分的であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
同じサルモネラ属菌のネズミチフス菌(ST)では、ratAが STのマウス腸管腔内での生存に関わることが分かっている。しかし、本研究成果により、同じ遺伝子が宿主と血清型の組み合わせによって発症機序において果たす機能が異なることが分かった。このことは、発症機序に関わる新たな病原機構を標的とする家禽チフスの新規予防法の開発につながるだけでなく、サルモネラ感染症全般の発症機序解明の端緒となり、それらの新規予防法の開発に向けた基盤となる。
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