研究課題/領域番号 |
21K05933
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
木崎 景一郎 岩手大学, 農学部, 教授 (40337994)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 環状RNA / 胎盤 |
研究開始時の研究の概要 |
環状RNAは、ノンコーディングRNA(ncRNA)であり遺伝子発現を制御することから、新たな機能的ncRNAとして注目されている。しかし、circRNA研究は始まったばかりであり、着床や胎盤形成機構に関する研究は十分になされていない。本研究では、着床や胎盤形成の鍵となる栄養膜細胞が産生する栄養膜細胞特異的遺伝子に着目し、これらに由来するウシのcircRNAの同定及び機能解明に基づき、着床や胎盤形成機構の分子基盤を明らかにする。本研究によって、ウシの着床及び胎盤形成におけるcircRNAを中心とした新たな制御機構が明らかになるとともに、ウシの受胎性向上技術の開発に結びつくことが期待される。
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研究実績の概要 |
今年度は、昨年度に得られたcircRNAシーケンス(circRNA-seq)の結果から抽出した胎盤に発現するcircRNAの同定を試みた。ウシ胎盤節・絨毛叢に高発現するbta-circ_9746について、circRNA を特異的に検出するdivergent primerを用いてRT-PCRを行った。divergent primerは、host geneの直鎖状mRNA (host gene mRNA)では認められないback splicing junctionを含む領域を増幅するプライマーである。その結果、予想された193 bp付近に増副産物が検出されたが、500 bp付近にも増幅産物が認められた。これら2つの増幅産物について、DNAシークエンスにより塩基配列を調べたところ、193 bp付近の増副産物はback splicing junctionを1つ有するhost gene mRNA由来の配列であることがわかった。一方、500 bp付近の増副産物は2つのback splicing junctionを有していた。環状構造を有するRNAであるか否かを検証するために、RNase R処理、あるいは未処理のRNAを鋳型としてcDNAを調製した。RNase Rは直鎖状mRNAのみを分解し、環状RNAには作用しないRNA分解酵素である。RNase R処理及び未処理cDNAを用いたRT-qPCRによる定量の結果、RNase R処理cDNAではhost gene mRNAは検出されないが、bta_circ_9746は検出された。さらにRNase R処未理cDNAではhost gene mRNA及びbta_circ_9746はともに検出されたことから、bta_circ_9746は環状構造のRNA由来であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウシ胎盤に発現するcircRNA として、bta_circ_9746を同定した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、bta_circ_9746以外に候補に挙がっているbta-circ_8048、1913及び6638についての同定作業を進めるとともに、胎盤以外の他の組織での発現分布やcircRNA/host gene mRNA比等について検討する。また、各circRNA中のマイクロRNA結合部位についても調べ、その機能の推定も試みる。
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