研究課題/領域番号 |
21K05940
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
中川 博史 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 講師 (60336807)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 微小プラスチック / ポリスチレン / リソソーム / オートファゴソーム / エンドソーム / Caco-2細胞 / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
環境由来物質の一つである微小プラスチックの経口摂取が生体に与える影響の評価は重要である。0.1μm程度の直径のポリスチレン粒子は腸管粘膜細胞に取り込まれ、細胞内小器官リソソームに蓄積する。リソソームでは細胞の生存に重要なオートファゴソームやエンドソームの消化が行われ、リソソームの機能障害は細胞の生死の調節に影響を及ぼすと考えられている。本研究では細胞に取り込まれた微小プラスチックのリソソームへの蓄積が、リソソームの機能に及ぼす影響について評価する。
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研究成果の概要 |
摂取された微小プラスチックが消化管粘膜にどのような毒性を与えるのか、培養腸管上皮モデル細胞に取り込まれた微小プラスチック粒子がリソソームに集積する事例に着目し、リソソームの機能に対する影響の検討を行った結果、後期エンドソームおよびリソソームの膨化が観察された。リソソームの破局的な破綻は生じていなかったが、リソソームで分解されるオートファゴソームの滞留とともに、エクソソームの細胞外への分泌増加が見られた。オートファジーとエクソソーム分泌調節がリソソームでの分解能というリソースを取り合っている状況を示唆する本研究結果は、微小プラスチックの細胞毒性の作用点としてリソソームの重要性を示すと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境汚染で問題となっているマイクロプラスチックは、その大きさから細胞内取り込みには注目されてこなかったが、近年になって腸管上皮細胞内への取り込みが報告された。改めてマイクロプラスチックの直接的な細胞毒性発現の評価が重要であると考えられる中、標的の一つと考えられるリソソームの機能に与える影響について調べた結果、エクソソーム分泌調節とオートファジー分解という細胞生存に重要な機構に影響を与えることがわかった。オートファジーとエクソソーム分泌調節がリソソームでの分解能というリソースを取り合っている状況を示唆する本研究結果は、微小プラスチックの細胞毒性の作用点としてリソソームの重要性を示すと考えられる。
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