研究課題/領域番号 |
21K05950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
乙黒 兼一 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40344494)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | うつ病 / コルチコステロン / プリン代謝酵素 / アストロサイト / プリン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アストロサイトとニューロンの機能的な連関に着目し、うつ病モデルマウスで中枢プリンの動態変化と作用メカニズムを解明する。ATPはうつ病との因果関係が報告されている。申請者は、ATP動態がアストロサイトにより制御され、その作用が代謝産物のアデノシンやイノシンなど複数のプリンとの相互作用によることや、様々な病態下でみられるニューロン機能の異常が、アストロサイトのプリン動態変化によることを見出しており、プリンはうつ病の原因となる中心的なシグナル分子の可能性がある。本研究により、うつ病の分子病態を解明し、その責任分子を同定することで、新規抗うつ薬の開発に必要な標的分子が見出すことが期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、ストレスホルモンであるコルチコステロンの慢性投与によるストレスモデルマウスでの行動異常とその分子メカニズムの検討を行った。コルチコステロンを4週間飲水投与し、オープンフィールド試験、強制水泳試験、高架式十字迷路試験を行ったところ、うつ様行動の誘発が観察された。行動試験後に海馬、大脳皮質、脊髄を採材し、プリン代謝酵素の発現変化を検討すると、うつ病との関連が示されているプリン代謝酵素のmRNA発現が減少していた。一方、培養アストロサイトにコルチコステロンを処置すると、コルチコステロン濃度依存性にその発現は上昇した。また、そのプリン代謝酵素発現は、コルチコステロン処置直後(20分以内)に一過性に上昇し、その後はコントロールレベルまですぐに減少していた。In vivoとin vitroでの反応の差について、今後さらに検討を進める必要がある。 また、うつ病態と関連が示唆されるアストロサイトの形態変化について検討した。α2受容体作動薬デクスメデトミジンをマウスに投与すると、アストロサイト突起が退縮した。この時、アストロサイト突起の一部であるエンドフィートに局在するアクアポリン4発現は変化していなかった。このことから、血管周囲に伸ばしたエンドフィートはアストロサイトの他の突起とは異なる制御を受けていると考えられる。また、デクスメデトミジンによる形態変化は、部分的にα2拮抗薬アチパメゾールで回復したことから、この反応にはα2受容体が関与していると考えらえるが、全ての反応が抑制されなかったことから、他の受容体の関与が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数のうつ病モデルを用いて、プリン代謝酵素の発現が変化することを明らかにした。また、確立したアストロサイト形態の評価系によって、α2作動薬による形態変化の詳細を明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
うつ病モデルで観察されたプリン代謝酵素発現の変化について、コルチコステロン投与後の詳細な経時的変化を検討し、培養細胞での反応との差異を明らかにする。また、抗うつ薬投与による行動異常とプリン代謝酵素発現の変化を比較検討し、その因果関係を明らかにする。さらに、アストロサイト形態変化に関与する受容体及び細胞内分子経路を薬理学的手法を用いて明らかにする計画である。
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