研究課題/領域番号 |
21K05952
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 (2022-2023) 帯広畜産大学 (2021) |
研究代表者 |
田川 道人 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (00749468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 悪性黒色腫 / バイオマーカー / がん診断 / リキッドバイオプシー / 犬 / メラノーマ / cell free DNA / 全エクソン解析 / バイオインフォマティクス / リアルタイムPCR / 全ゲノム解析 / 腫瘍マーカー / 遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
医学では血液検査により腫瘍の状態を把握できる様々な腫瘍マーカーが利用されているが、獣医療においては実用可能な腫瘍マーカーは存在しない。そこで循環腫瘍遺伝子と呼ばれる、腫瘍由来の遺伝子を血液から検出するリキッドバイオプシーに着目し、犬の腫瘍にみられる遺伝子変異を包括的に解析することで血中に放出される腫瘍由来の遺伝子変異を特定し、血液検査だけで実施可能な新規腫瘍マーカーの確立を目的とした。
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研究実績の概要 |
犬悪性黒色腫4症例より得た腫瘍組織と、同一症例の末梢血液より得たPBMCよりDNAを抽出し、両者をKOTAI社に送付し、今年度はより深い解析を行うためエクソーム解析を行った。得られた遺伝子配列は犬の全ゲノム(CanFam 3.1 genome (GCF_000002285.3_CanFam3.1) )に対してアノテーションを行い個体特有の遺伝子変異を決定した。その結果、各症例とも複数の遺伝子変異が観察され、人の悪性黒色腫に関連した変異を中心に精査、変異を選定した。1症例に着目し、ARID1Ap.Ser1784fsをターゲットとして選択、デジタルPCRを設計した。プローブ検証により変異アレルを検出可能であり、症例の腫瘍検体内の変異率は12.5%であった。経時的に採血を行い、血漿サンプルからcfDNAを抽出し、デジタルPCRに供したところ、診断時には変異遺伝子(すなわちctDNA)が0.01%で認められたが治療により消失し、経過観察中に再度増加、その後転移がみられた際には0.12%へと上昇していた。 以上より、犬悪性黒色腫をもちいた循環腫瘍遺伝子解析が可能であることが明らかとなった。次年度は症例を増やし再度検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス等の影響による物流の遅延に起因し、試薬が海外から届かず実験遂行が年度内に終了しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は予算残高を加味し症例を1例増やし同様の検討を行う予定である。
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