研究課題/領域番号 |
21K05961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岩手大学 (2023) 日本大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
佐藤 雪太 岩手大学, 農学部, 教授 (40271762)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Haemoproteus / ヌカカ / Culicoides / 感染サイクル / Japan / 住血原虫 / 鳥類 / 初検出 / ヘモプロテウス原虫 / ベクター / 伝播様式 / 血液寄生原虫 / ヘモプロテウス / 野生動物 |
研究開始時の研究の概要 |
国内の飼育下ペンギン類では鳥マラリア原虫に近縁な血液寄生原虫であるヘモプロテウス原虫の感染が見られている。本原虫がペンギン類に及ぼす影響は不明だが、本来の宿主ではない鳥種で感染死亡例があり、ペンギン類の域外保全上、本原虫の感染サイクルなどの基盤的知見の収集が急務である。海外ではヘモプロテウスは吸血昆虫のヌカカ類が媒介することが確認されており、ヌカカ類は国内にも生息しているが原虫保有状況は不明である。 そこで、原虫感染鳥類が確認されている地域のヌカカ類からヘモプロテウス原虫の検出を試み、国内の血液寄生原虫で唯一不明だった感染様式を解明し、希少種の域外保全にも貢献する知見を得ることを目的とした。
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研究成果の概要 |
本研究は、国内の鳥類に広く感染が見られ、ペンギン類など生息域外で飼育されている鳥類への影響も懸念されるヘモプロテウス(Haemoproteus)属原虫のベクターとなる昆虫種を解明することを目的とした。その結果、ニワトリヌカカ、キブネヌカカなど複数種のCulicoides属のヌカカ類から国内の鳥類が保有するヘモプロテウス属原虫DNAの増幅が認められ、国内で初めてこれらのヌカカがベクターであることが示唆された。なお、一部の原虫系統は宿主鳥類に対して病原性が問題になる可能性も考えられ、引き続き国内のヘモプロテウス属原虫の感染状況について監視して行く必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鳥類に寄生する住血原虫3属(プラスモディウム、ヘモプロテウスおよびロイコチトゾーン)のうち、海外では報告されているが国内では唯一未確認であったヘモプロテウス属原虫の感染サイクルが解明された。すなわち、日本を含むアジアにおけるヘモプロテウス属原虫のベクターとなるヌカカ種が同定され、寄生虫学分野にける学術的知見の充実に貢献した。さらに、ヘモプロテウス属原虫の感染による病害が懸念される鳥種に対する獣医学的予防措置に資する基盤知見として、国の環境保全政策や保護対策など社会的にも活用されることが期待される。
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