研究課題/領域番号 |
21K05966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
大屋 賢司 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長 (50402219)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 病原性大腸菌 / ゲノム / 分類 / 食中毒 / 疫学 / 下痢原性大腸菌 / 遺伝子型 / プロテオタイピング / 系統分類 |
研究開始時の研究の概要 |
代表的な非定型下痢原性大腸菌である astA 保有大腸菌は、大規模食中毒の原因となるが、astAを保有する株が必ずしも下痢原性を有するわけではなく、病原性株と非病原性株の実態は不明の点が多い。本研究では、astA保有大腸菌の分布調査、分離株の比較ゲノム解析と MALDI-TOF MS を用いたプロテオタイピングによる系統分類を行い、病原性株と非病原性株の実態を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
非定型下痢原性大腸菌であるastA保有大腸菌は、astAを保有する株が必ず下痢原性を有するわけではなく、病原性株と非病原性株の実態は不明である。健常人由来 astA保有株と下痢症患者由来astA保有株について、プロテオタイピングとゲノム比較解析により、非定型下痢原性大腸菌のカテゴリーを確立させることを目的とした。プロテオタイピングでは、病原性の有無、astA保有状況との明かな関連は認められなかった。ゲノム解析では、特定の病原因子群の保有パターン及びプラスミドが株の病原性へ関与することを示唆する結果を得た。ゲノム解析の観点からは、非定型下痢原性大腸菌を定義するための標的候補を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下痢原性大腸菌は、腸管病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管凝集付着性大腸菌(EAEC)等に分類されている。astAは、EAECの約50%が保有するが病原性発現には必須ではない。また、astA陽性大腸菌は、集団食中毒の原因となることがあるが、astAの病原性への直接の関与は不明である。食中毒の原因と思われる大腸菌が分離された際は、各下痢原性大腸菌の特徴となる病原因子等の保有状況を調べるが、非定型下痢原性大腸菌は確立されたマーカーがないため、通常の検査では検出できず「原因不明」となることも多いと思われる。非定型下痢原性大腸菌の定義を明らかにすることは公衆衛生上極めて重要である。
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