研究課題/領域番号 |
21K05975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
西村 和彦 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (30285308)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 3価クロム / エリスロポエチン産生 / PPARγ / インシュリン抵抗性 / エリスロポエチン / クロム |
研究開始時の研究の概要 |
3価クロム(クロム)はインシュリン抵抗性を抑制することが報告されている。エリスロポエチン(EPO)もインシュリン抵抗性を抑制するも報告がある。クロムのインシュリン抵抗性抑制効果は調節因子のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)を介すること、EPOのインシュリン抵抗性抑制にもPPARγが関わることが報告されている。本研究はHepG2細胞を用いて、クロム投与によるインシュリン抵抗性の抑制に、クロムによって産生が増加するEPOの関与とその機序を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
3価クロムはEPO産生を介してインシュリン抵抗性を減弱させるかを調べるためにエリスロポエチン産生細胞であるHepG2細胞を用いてパルミチン酸によるイン シュリン抵抗性誘導に対するクロムの影響を解析した。3価クロムの添加はパルミチン酸によるインシュリン抵抗性誘導を抑制すること、およびエリスロポエチ ン産生を促進することを明らかにした。PPARγ阻害剤を用いた実験により3価クロムの作用はPPARγが関与していることを明らかにした。これらの結果から3価クロムは直接的におよびエリスロポエチン産生の促進を介してインシュ リン抵抗性獲得を阻害していることが示唆された。 エリスロポエチン産生の調節因子である低酸素誘導因子(HIF)とPPARγとの関連の解析を進めた。3価クロムは、Aktのリン酸化を増加させることで、イン シュリン抵抗性誘導の阻止効果を発揮するだけでなく、Aktのリン酸化がHIF-1,2の増加をもたらし、エリスロポエチン産生を促進することが明らかとなった。さらに、産生したエリスロポエチンはエリスロポエチンレセプターを介して、Aktにフィードバックすることが示唆された。また、HIFの増加がPPARγの増加につながることも示唆された。得られた結果は第49回日本毒性学会学術年会において「HepG2細胞における3価クロムによるエリスロポエチン産生調節とPPARγの関係」の タイトルでポスター発表した。 これまでの研究から、クロムの長期投与の影響についてさらなる解析が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に比べて実験計画が順調に進み、2年半程度で達成する内容が2年で達成できており、期待していた結果が得られたので、当初計画に対して概ね順調に進展して いると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究はクロムを24時間処置したときの応答を解析してきた。クロムのヒトや動物への曝露は長期的であると考えられるので、3価クロムを添加して継代を続けたHepG2細胞を準備し、エリスロポエチン産生への影響について解析を進める。
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