研究課題/領域番号 |
21K05978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
三谷 匡 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (10322265)
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研究分担者 |
田辺 秀之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (50261178)
岡村 大治 近畿大学, 農学部, 講師 (80393263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ヒストンH2A.Z / 受精 / クロマチンリモデリング / 全能性獲得 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / リプログラミング / 脱アセチル化酵素阻害剤 / 受精卵 / 体細胞核移植 / 質量分析 / HDAC阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、受精卵のゲノムワイドなエピジェネティック制御を導く土台となる染色体全体のクロマチン構造変換のカギとなるヒストンH2A.Zの除去を司る分子を見つけ出し、その仕組みを明らかにするとともに、新規リプログラミング支援技術の開発を目指す。高感度磁気ビーズを用いた共免疫沈降とMS解析を受精卵に適用して相互作用因子を選定し、受精卵が備えるヒストンH2A.Zの除去機構を明らかにする。そして、その仕組みを利用して、体細胞の新規リプログラミング支援技術を開発する。
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研究成果の概要 |
受精卵におけるゲノムワイドなヒストンH2A.Zの選択的除去の仕組みを明らかにすることを目的とする。活性化をトリガーとするヒストンH2A.ZとmacroH2Aの分解については分解応答性が異なることが明らかとなった。さらに、活性化に伴う母性転写物の新規翻訳やユビキチン・プロテアソーム系(UPS)による分解機構は関与しない可能性が示された。体細胞核移植においてH2A.Zの除去を誘導するHDAC阻害剤について相互作用因子の探索を行い、UPSを制御する分子の関与の可能性が示唆された。今後、ヒストンH2A.Zの除去の仕組みを明らかにし、さらにその仕組みを利用した新規リプログラミング支援技術の開発をめざす。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案する受精卵における“場の調整機構の理解と人為制御”は、“役者”となる初期化プレイヤーの活動を促す“舞台装置”をつくり出し、リプログラミングを促進する新技術の開発に繋がる。これまで、クローン技術やiPS細胞でのリプログラミングについては転写因子等プレイヤーに焦点があてられているが、“役者が演じる舞台環境”に対する理解は重要である。本研究が狙う舞台装置の制御はプレイヤーの能力を最大限に引き出すものであり、リプログラミング技術を飛躍的に向上させるものとして期待される。また、受精卵の全能性獲得基盤の理解は、現在注目される人工胚研究においても重要なカギを握るものとなる。
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