研究課題/領域番号 |
21K05984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
工藤 崇 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20288062)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 糖鎖 / ノックアウトマウス / 糖転移酵素 / 糖タンパク質 / ムチン型糖鎖 / シアル酸 / シアル酸転移酵素 / 糖鎖機能 |
研究開始時の研究の概要 |
粘液の主成分であり、癌、炎症性疾患等でその構造変化を生じることが知られているムチン型糖鎖の生理機能は、未だ不明な点が多い。ムチン型糖鎖の合成酵素C1galt1およびそのシャペロンcosmcの組織特異的ノックアウトマウスを作製し、表現型解析をおこなうことによりその生理機能を明らかにする。また、その原因となるムチン型糖鎖キャリアタンパク質において、糖鎖欠損による分子局在や挙動の変化を検証する。
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研究成果の概要 |
ムチン型糖鎖コア1構造を合成するC1galt1の正常なフォールディングのためにC1galt1特異的分子シャペロンであるCosmcコンディショナルノックアウト(cKO)マウスを作製し、コア1由来糖鎖の生理的機能を検討した。ユビキタスかつ誘導性のcKOマウスでは、胸腺、脂肪組織、膵臓の重量の急激な減少、白色・褐色脂肪組織の萎縮、自然発症の胃潰瘍、重症腎機能障害などが見られ、誘導して10日後前後で死亡した。ムチン型O型糖鎖にシアル酸を付加するSt6galnac3,4ダブルノックアウトマウスの解析より、ポドプラニンのシアル酸欠損による腸管膜リンパ節に出血することが観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果からムチン型糖鎖が失われることによる複数の臓器に異常きたし、多臓器不全で死亡することが判明した。個々の臓器の表現型異常の分子レベルでの機序については今後の課題となるが、ムチン型糖鎖が各臓器の恒常性の維持に必須であることが明らかになった。多臓器不全を引き起こすメカニズム解明は、糖鎖生物学の新しい研究方向を提示し、糖鎖修飾の役割理解を深める基礎となります。また、ムチン型糖鎖異常の理解は、疾患の治療法や診断方法の開発に繋がり、バイオテクノロジー分野の技術進展を促します。
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