研究課題/領域番号 |
21K05988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
岡村 永一 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 助教 (30755913)
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研究分担者 |
水野 直彬 東京医科歯科大学, 高等研究院, プロジェクト研究員 (30815642)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | CRISPR/Cas9 / トランスジェニックマウス / 栄養膜細胞 / カニクイザル / ノックアウト / 着床 / 栄養膜 / アデノ随伴ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
不妊症の原因の1つに着床不全が挙げられるが、有効な治療法は未だ確立されていないことが不妊治療の現場で問題となっている。着床ステージである胚盤胞期胚においては、栄養膜細胞が子宮内膜への接着や浸潤に重要な機能を持つと考えられている。しかし、霊長類の着床期における栄養膜細胞機能を生体内で検証した研究はほとんどなく、栄養膜細胞機能を司る遺伝子も多くは不明なままである。そこで本研究では胚盤胞の栄養膜細胞特異的に遺伝子をノックアウトする技術を開発し、未だ謎に包まれた霊長類における着床の分子メカニズムに迫る。
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研究実績の概要 |
今年度はまず、昨年度に作製したCRISPR/Cas9条件付きノックアウトベクターの機能を、培養細胞とマウス個体において検証した。まずは培養細胞においてノックアウトの誘導精度とノックアウト効率を検証した。その結果、"漏れ"によるノックアウトはほとんど生じないことが判明した。また、ベクターを保持する細胞においては誘導依存的に少なくとも90%以上という高い効率でノックアウトを実行可能であることが確認できた。実際に、機能未知な6つの遺伝子座を標的としてノックアウト実験を実施し、1つの遺伝子が細胞増殖に寄与する可能性を見出すことに成功した。続いて、CRISPR/Cas9条件付きノックアウトベクターを保持するトランスジェニックマウスを作製した。出生後個体の全身臓器の解析を実施した結果、ノックアウト非誘導下においてもノックアウトが生じている個体が存在した。従って、マウス個体に適用するためにはより"漏れ"の少ない改良型のベクターを用いることが重要であると考えられ、現在作成を進めている。 次に、我々が至適化した条件を用いて作出したトランスジェニックマウスの品質を検証した。まず、トランスジーンのコピー数をデジタルPCRを用いて解析した。また、細胞間のモザイク性を検証するため、シングルセルレベルでの解析を実施した。その結果、トランスジーンはほぼ全ての細胞で安定に発現することが確かめられ、ファウンダー世代で表現型解析を十分に実施可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初作製した誘導型CRISPR/Cas9ベクターは"漏れ"の問題が見出され、新しい構築を作成する必要が出たが、改善版の作成は順調に進んでいることから研究の進展に遅れは生じていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究は概ね順調に進行しており、来年度は実際にAAVを用いて個体レベルでの機能解析を実施予定である。
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