研究課題/領域番号 |
21K05993
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
|
研究機関 | 下関市立大学 (2023) 国立研究開発法人理化学研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
田中 信彦 下関市立大学, 教養教職機構, 准教授 (10525596)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | マウス / 表現型 / 臨床表現形質 / 個体異常 / 方法論 / 機械学習 / 教師なし機械学習 / 形質異常 / フェノーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、マウスの網羅的な臨床表現形質データに対して、個体単位で多項目の形質に注目することにより、マウス個体の異常を高精度に検出可能な方法論を開発することである。本研究では、予測精度の高いモデル構築に必須な、データの前処理を厳密に行う。最新の機械学習の手法を、この前処理済みのデータセットに適用することで、従来の集団の平均値として「異常」を検出する手法とは一線を画した新しい「異常」の評価法を提示する。さらに、この手法の適用による新たな「異常」の情報の利活用促進のため、アプリケーションを開発しウェブ上に公開する。この方法論は、ヒトの個人レベルでの疾患診断基盤技術としての利活用が期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、国際マウス表現型解析コンソーシアム(IMPC)の網羅的な臨床表現形質データに対して、個体単位で多項目の形質に注目することにより、マウス個体の異常を高精度に検出可能な方法論を開発することである。本研究は3ヶ年での終了を予定しており、具体的には、2021年度では、解析用のデータセット作成作業を行い、2022年度にマウスの表現形質異常を高精度に検出する新しい手法を開発し、2023年度にこの手法を基にした「ユーザーが指定した表現形質異常を持つマウスを個体レベルで提示可能なアプリケーション」を開発する。当該年度において全研究期間の1年延長を決定した。 当該年度(2023年度)では、前年度までに開発した表現形質の高精度な定量化法をもとに算出した個体レベルでの表現形質データに対して、scRNA-seq解析等で汎用されている軌跡推論解析技術を適用することで、マウスの疾患進行過程を検出することに成功した。さらに、この方法論とマウス系統の擬似時間推定および疾患オントロジー(DO)アノテーションを併用することで、新規疾患モデルマウスの候補リストを提供した。以上のように、当初の計画の範囲外の成果を得て、その成果を日本分子生物学会年会で発表した。また、次年度に作成予定の「ユーザーが指定した表現形質異常を持つマウスを個体レベルで提示可能なアプリケーション」のプロトタイプの作成を前年度より継続して行い、アプリケーションのエンハンス(機能強化)を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の主たる目的は「マウス個体の異常を高精度に検出可能な方法論の開発」であり、3ヶ年で終了予定の課題である。しかしながら、研究代表者の所属移転のため、想定よりも当該研究に従事可能な時間の確保が困難であったため、本研究課題の全研究期間を1ヶ年追加した。 当該年度では、次年度に開発予定のアプリケーションのプロトタイプの開発作業を昨年度に引き続き行った。これにより、2024年度に予定している「ユーザーが指定した表現形質異常を持つマウスを個体レベルで提示可能なアプリケーションの開発」へ順調に進むことができる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では2023年度にアプリケーションの開発を終える予定であったが、アプリ開発作業に従事する時間確保が困難であったため、全研究計画期間を1年延長した。2023年度では次年度に開発予定のアプリケーションのプロトタイプを前年度より継続して行った。2024年度では、このフレームワークをもとにした「ユーザーが指定した表現形質異常を持つマウスを個体レベルで提示可能なアプリケーション」を開発する。
|