研究課題/領域番号 |
21K06008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀臣 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (70582295)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | トランスポゾン / エピジェネティクス / シロイヌナズナ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シロイヌナズナの変異体を用いてトランスポゾンの新規の転移制御機構を解明することが目的である。本研究では、この新規の転移制御機構を解明するため、原因遺伝子を同定し、この制御の作用経路を明らかにする。また、この制御の分子メカニズムを明らかにするため、同定された因子と相互作用する因子の同定を行う。
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研究実績の概要 |
トランスポゾンや反復配列は一般的にDNAのメチル化やヒストン修飾によりヘテロクロマチン化され、転写が抑制されており、転移に必要なタンパク質を発現できないことから転移が起こらない状態が保たれている。しかしながら、我々の先行研究の結果から、ONSENの転移効率と転移頻度は、転写レベルと必ずしも相関しているわけではない結果を得た(Hayashi et al. 2020)。このことから、ONSENの転移制御には、転写レベルでの制御以外に転移制御に関わる重要な因子が存在することが示唆された。そこで,未知の転移制御機構が存在するという着想に至り、実際に変異体スクリーニングを行った結果、ONSENの転写レベルは野生型と変わらないが世代を超えた転移が観察される変異体screen1を同定した。この変異体は、既知の抑制的エピジェネティック修飾に関与する遺伝子の変異体とは異なり、ONSENの転写レベルは野生型と変わらない。このことは、ONSENの転移をゲノムの挿入レベルで制御する新規の制御機構の存在を示唆している。本研究では、シロイヌナズナの変異体を用いてトランスポゾンの新規の転移制御機構を解明することが目的である。ONSENの転移制御に関与する新規の因子を同定するために、多数の原因候補遺伝子を選出して、サザンブロットにより転移解析を行った。しかし、全ての変異体でONSENの転移が検出できなかった。今までの結果から、screen1 の原因因子は 5.3Mbから8.9Mbまでの領域にあることがわかった。そのため、48時間の熱ストレスをかけた5.3Mbから8.9Mbまでの領域にある17個原因遺伝子を用いてTED-seqによりONSENの転移を検出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、シロイヌナズナの変異体を用いてトランスポゾンの新規の転移制御機構を解明することが目的である。本研究では、この新規の転移制御機構を解明するため、原因遺伝子を同定し、この制御の作用経路を明らかにする。また、この制御の分子メカニズムを明らかにするため、同定された因子と相互作用する因子の同定を行う予定であったが、原因遺伝子の同定に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
screen1の原因遺伝子が同定できた場合は、その遺伝子の機能解析を行う。既知のタンパク質をコードする遺伝子の場合は、そのタンパク質がどのような因子と相互作用し、どのような経路でONSENの転移抑制に関与しているかを明らかにする。未知の遺伝子の場合は、ヌクレオチドや核酸に関わる配列モチーフをもとに、構造機能解析を行う。また、screen1の原因遺伝子の欠失変異体がストックセンターから得られない場合は、ゲノム編集により野生型シロイヌナズナのSCREEN1をコードする遺伝子の機能を欠損させ、ONSENの世代を超えた転移が再現できるか確かめる。 世代を超えたONSENの転移が起こるためには、高温ストレスを受けた植物の生殖細胞に転移が伝わる必要がある。一方、本研究におけるONSENの発現解析の結果は組織特異的なONSENの転写レベルを反映しているとは言い難い。そのため、将来生殖細胞に分化する細胞内で、高温ストレス後にONSENの発現量が増加し、その結果世代を超えた転移が見られる可能性も考えられる。その可能性を検証するため、screen1において未分化細胞が集まる茎頂分裂組織特異的にONSENの発現が上昇するか解析する。本研究で使用するscreen1系統がLTR:GFP形質転換体であることを用いて、高温ストレス後の茎頂分裂組織を切片化し、共焦点顕微鏡で観察する。もし発現上昇を示唆する結果が得られれば、レーザーマイクロダイセクションを用いて、茎頂分裂組織からRNAを抽出し、ONSENの発現解析を行い、茎頂分裂組織特異的なONSENの制御機構を明らかにする。
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