研究課題/領域番号 |
21K06012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須谷 尚史 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (30401524)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ゲノム / ゲノム維持 / SMC複合体 / 正の超らせんDNA / 数理モデル / 非B型DNA / ゲノム不安定性 / Smc5/6複合体 / ループ押し出し活性 / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
非B型DNAの存在は古くから知られるが、核内非B型DNAの網羅的・体系的な理解はまだなされていない。ゲノム上のどこにどんな種類の非B型DNAが存在するか、生成のメカニズムは何か、といった基本的な事柄の理解が本研究課題の目的である。がん細胞などで見られる染色体構造異常の成因として非B型DNAが着目を浴びている。本研究課題から得られる知見によって、ゲノム上に存在する脆弱部位の理解が前進することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞核内のDNA鎖に生じるよじれを細胞が認識・処理する仕組みを明らかにしました。Smc5/6タンパク質複合体が結合しているゲノムDNA上の部位は、正の超らせんと呼ばれるDNAのよじれが蓄積している箇所であることを、分子生物学実験と数理モデリングを組み合わせて明らかにしました。Smc5/6がゲノムの維持に必須な因子であることから、DNA鎖のよじれをうまく処理できないと細胞にとって致死的な結末をもたらすことが想像されます。この結果は、がんや細胞老化がどのようなメカニズムで起きるかの理解に貢献することが期待されます。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子転写によってDNA鎖に正の超らせんというよじれが生じることは古くから知られていました。本研究は、正の超らせんを認識するタンパク質が細胞核中に存在すること、正の超らせんへの適切な対処がなされないことで核内DNAが不安定になる可能性があることを示した点に意義があります。本研究を契機にDNA鎖のよじれに着目した研究が活発化することが期待されます。Smc5/6複合体はがんの発生や老化を防ぐ役割をもつことがマウスの実験で示されています。本研究成果は、医学的観点からも興味深い対象であるSmc5/6複合体について、その理解を大きく前進させるものだと考えられます。
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