研究課題/領域番号 |
21K06013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 遼平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (30756458)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | DNAメチル化 / 脊椎動物 / 初期胚 / ヒストン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAメチル化は生物種によってその機能やゲノム上の分布が異なる。脊椎動物は遺伝子のプロモーターなどを除くほとんどのゲノム領域がメチル化を受けるglobalメチル化というメチル化パターンを持つ。このglobalメチル化は脊椎動物種に特有のメチル化パターンであるが、その機能は明らかになっていない。その原因としてはDNAメチル化を除去する実験が困難であったことなどが挙げられる。本研究では、メダカ受精卵においてDNAメチル化を完全に除去できる独自の実験系によって脊椎動物におけるglobalメチル化の機能を明らかにすることを目指す。
|
研究実績の概要 |
DNAのメチル化(特にシトシンのメチル化)は植物、菌類、動物に広く見られるエピジェネティック修飾の一つであるが、生物種によってその機能やゲノム上の分布が異なる。脊椎動物は遺伝子のプロモーターなどを除くほとんどのゲノム領域がメチル化を受けるglobalメチル化というメチル化パターンを持つ。このglobalメチル化は脊椎動物種に特有のメチル化パターンであるが、その機能は明らかになっていない。その原因としてはDNAメチル化を除去する実験が困難であったことなどが挙げられる。本研究では、メダカ受精卵においてDNAメチル化を完全に除去できる独自の実験系によって脊椎動物におけるglobalメチル化の機能を明らかにすることを目的とした。特に、発生初期胚においてDNAメチル化を除去した場合の転写やクロマチン状態への影響を記載する。これまでに、DNAメチル化除去によって活性型ヒストン修飾パターンが大きく変化することを見出した。当該年度では、クロマチンの3次元構造の変化を解析した。その結果、脊椎動物のクロマチン構造の一つであるコンパートメント構造が大きく変化していることを発見した。この構造変化は活性型ヒストン修飾パターンの変化と強く相関していた。以上から、Globalメチル化は活性型ヒストン修飾を介してコンパートメント構造形成に寄与していることが示唆された。一方で、ヒストンのアセチル化のパターンを変化させてもコンパートメント構造は変化しないことも明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DNAメチル化阻害胚において、クロマチン3次元構造が変化していることがわかり、globalメチル化の機能として新規の知見を明らかにできた。
|
今後の研究の推進方策 |
DNAメチル化除去によるヒストン修飾変化とクロマチン3次元構造変化の関係をより詳細に解析し、両者が変化するメカニズムを明らかにすることを目指す。そのために、DNAメチル化除去とは別の方法によるヒストン修飾変化を起こし、3次元構造変化を解析する。
|