研究課題/領域番号 |
21K06021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2022) 横浜市立大学 (2021) |
研究代表者 |
津中 康央 (津中康央) 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任講師(常勤) (40551552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | FACT / ヒストンバリアント / ヌクレオソーム / ヒストン交換 / ヒストンテイル / 構造生物学 / クロマチンリモデリング |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチンを構成する標準的なヒストンのヒストンバリアントへの交換反応は、ユークロマチンやヘテロクロマチンなどの特徴的なクロマチン構造の構築に寄与する。ヒストンシャペロンFACTはこのヒストン交換反応を促すことがわかっている。そこで本研究ではFACTがどのようにして標準的なヒストンとバリアントを識別し、ヌクレオソーム構造を変化させているのかを立体構造の観点から明らかにする。具体的にはX線結晶構造解析、電子顕微鏡解析、核磁気共鳴 (NMR) 解析などの手法を駆使し、FACTとヒストンの結合部位で各種ヒストンを明確に識別する部位を立体構造で可視化する。
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研究実績の概要 |
本研究では、FACTがどのように標準的なヒストンとヒストンバリアントを識別し、ヌクレオソーム構造を変化させているのかを明らかにしたい。そのためにまず、これまで見つかっていないヒストン側のFACT相互作用部位を同定することを目指した。今年度も引き続き、核磁気共鳴 (NMR) 解析により、H2A-H2B二量体やH3-H4四量体とFACTのこれまで見つかっていない相互作用部位を探索した。NMRは比較的弱く、動的な相互作用部位であっても解析することが可能である。その結果、昨年度に同定したヒストンテイルの領域に加えて、これまで見つかっていないヒストン構造領域でのFACT結合部位を同定した。このうち、昨年度に同定したヒストンテイル領域のこれまで見つかっていないFACT結合部位については、学術論文にまとめ、学術雑誌に掲載された。さらに、昨年度に同定された結合部位のうち、FACTと関連するヒストンバリアントで保存されていない領域のアミノ酸残基をバリアント型に変異させたものを遺伝子構築している。今後、これを用いて、ヒストン交換反応が変化するかどうかを調べる予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FACTと関連するヒストンバリアントで保存されていない領域のアミノ酸残基をバリアント型に変異させたものを遺伝子の構築が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に同定された結合部位のうち、FACTと関連するヒストンバリアントで保存されていない領域のアミノ酸残基をバリアント型に変異させたものを遺伝子構築し、変異体の発現精製を行う。これを用いて、ヒストン交換反応が変化するかどうかを調べる予定。逆にヒストンバリアントの標準的ヒストンへの変異の効果も同様に調べる予定。これらの生化学的解析により、この部位が本当にFACTによるヒストン識別部位か否か、さらに ヒストン交換反応にどのような効果があるのかを明らかにする。
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