研究課題/領域番号 |
21K06044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 (2023) 順天堂大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
児玉 昌美 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30512248)
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研究分担者 |
小川 治夫 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | GC受容体 / ナトリウム利尿ペプチド / グアニル酸シクラーゼ受容体 / GCase受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
グアニル酸シクラーゼ(GCase)受容体とリガンドであるナトリウム利尿ペプチド(NP)によって構成されるNP系は、血圧・体液バランスの維持に不可欠である。申請者らは二量体GCase受容体の細胞外リガンド結合(LB)ドメインにNPが結合すると、LBドメインが旋回することを明らかにし、この旋回運動こそが細胞内GCaseドメインの活性化を惹起するカギであると考えている。本研究では、旋回運動に主眼を置いてGCase受容体の構造解析を行い、GCase受容体が①リガンドを認識する機構と②結合シグナルを膜内に伝達し、GCaseドメインを活性化する機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
グアニル酸シクラーゼ(GCase)受容体のリガンド結合(LB)ドメインと心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)あるいはDNP(ヘビ毒由来のNP様ペプチド)との複合体のX線結晶解析を行い、アミノ酸配列の上では規則性が見当たらない1分子のANPが、「点対称」に向き合った2分子のGC-A受容体に結合する際、「擬似的に点対称」の形をとることを明らかにした。またDNPがANPより強固に結合する構造学的基盤を明らかにした。糖鎖修飾のため結晶の作成が困難なGC-BのLBドメインとCNPの複合体についても、Cryo-EM単粒子解析によって立体構造の決定に成功し、現在モデリングと構造精密化を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GCase・ANP系は血圧・体液バランスの維持に不可欠で、急性心不全治療薬として広く臨床で利用されているにも関わらず、構造学的基盤の解析が遅れてきた。これは点対称の二量体GCaseの中心にANPが疑似対称性を獲得して結合するという構造が、構造決定を阻んできたためだが、この難問を我々は独自の技術を用いて克服した。GCase受容体の活性化はLBドメインの旋回に因るが、このような様式で活性化する受容体は他に報告例がなく、学術的に意義深い。ANPには血中半減期が短いという致命的な問題があり、DNPをはじめ、これに代わる医薬品の開発は急務である。本研究で得た知見は、医学的重要性も極めて高い。
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