研究課題/領域番号 |
21K06047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
古板 恭子 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任助教(常勤) (30727665)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 溶液NMR / 膜コンタクトサイト / VAP / FFAT-likeモチーフ / 化学シフト摂動実験 / VAMP-associated Protein / FFATモチーフ / VAMP-associated protein / LLPS / タンパク質複合体 / 分子間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内で各オルガネラ膜あるいは細胞膜が互いに近接した領域を膜コンタクトサイト(MCS)といい、そこでは脂質やイオンの輸送、酵素反応などが行われている。小胞体膜貫通タンパク質VAPはMCSに局在し、他のタンパク質との相互作用を通して、MCSの形成と機能の中心的な役割を果たしている。VAPはFFAT-likeモチーフと呼ばれる極めて多様なアミノ酸配列を結合することが知られているが、FFAT-likeモチーフとVAPの結合は弱く、その相互作用の詳細は知られていない。本研究では弱い相互作用の検出に優れた溶液NMR法を駆使することで、VAPのFFAT-likeモチーフ認識機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
小胞体膜蛋白質VAPはFFAT-likeモチーフと呼ばれる多様なアミノ酸配列を結合することが知られている。この相互作用は小胞体と他のオルガネラとの膜コンタクトサイトの形成や機能に関わっている。本研究では溶液NMRによりVAPと9種類のFFAT-likeモチーフとの相互作用を解析した。その結果、FFAT-likeモチーフは解離定数が数mMでVAPのFFATモチーフ結合部位と結合すること、結合にはFFAT-likeモチーフがVAPの疎水性ポケットに結合するフェニルアラニンおよびアラニン残基を持つことが重要であることが分かった。また小さい化学シフト摂動を解析するためのソフトウェア開発を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VAPとFFAT-likeモチーフとの相互作用は、膜コンタクトサイトにおいてオートファジーや神経伝達などの重要な細胞機能に寄与し、筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病との関連が指摘されている。またウイルスRNAの複製にも関わっている。本研究によりこのような重要な相互作用について結合様式や親和性などの結合の詳細が明らかになった。この情報はVAPとFFAT-likeモチーフの相互作用が関わる細胞機能や疾患の解析に利用しうる。また開発した化学シフト摂動実験の解析ソフトウェアはさまざまな低親和性の相互作用解析に利用できる。
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