研究課題/領域番号 |
21K06048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
有吉 眞理子 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 特任助教(常勤) (80437243)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 染色体分配 / キネトコア / セントロメア / タンパク質複合体 / ヌクレオソーム / クライオ電顕 / CENP-A / 構造生物学 / 分子会合 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞分裂に伴う染色体分配は、遺伝情報の継承と維持を担う重要かつ動的な過程である。染色体分配は、染色体上のセントロメア領域に形成されるキネトコアと呼ばれる多数のタンパク質からなる超分子構造体によって制御されている。キネトコアには、染色体と染色体移動装置である紡錘体微小管を連結させ、両者の状態変化を伝達するタンパク質ネットワークが存在するが、その実体は未だ不明な点が多い。本研究では、セントロメアを認識し、キネトコアにおける分子会合の足場となるCENP-C及びCENP-LNタンパク質に着目し、主に生化学と構造生物学の手法を用いて、細胞周期の進行に伴うキネトコア形成制御の実体を明らかにする。
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研究成果の概要 |
染色体分配は、染色体上のセントロメア領域に形成されるキネトコアと呼ばれる多数のタンパク質からなる超分子構造体によって制御されている。本研究では、セントロメアという特殊な染色体領域を認識し、キネトコアにおける分子会合の足場となるCENP-Cタンパク質とKNL2タンパク質の構造機能解析を行った。第一に、クライオ電顕を用いた単粒子解析により、細胞周期依存的なニワトリKNL2タンパク質によるCENP-Aヌクレオソーム認識の構造基盤を明らかにし、新しい機能モデルを提唱した。第二に、CNEP-Cが自己会合することを見出した。CENP-Cの自己会合がセントロメア構造の維持に重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常な染色体分配を維持するためには、セントロメアに限定されたキネトコアの構築 (空間的制御) および細胞周期と厳密に同調した染色体と紡錘体微小管の連結(時間的制御)が必要である。従って、染色体分配の分子機構を理解するためには、セントロメアおよびキネトコアを構成する多様なタンパク質がどのようにネットワークを形成し、細胞周期のタイミングを見極め、協調的に機能しているのかを理解する必要がある。本研究の結果に基づいて提唱したCENP-CとKNL2に関する動的な機能モデルは、このような細胞周期と連動したキネトコア形成の動的制御機構の新しい概念として認められるものである。
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