研究課題/領域番号 |
21K06049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
尾林 栄治 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (50321740)
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研究分担者 |
浦野 健 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (70293701)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | RNAスプライシング / 立体構造解析 / スプライシング |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がんや造血系悪性疾患の多くの患者が、スプライシングを担うタンパク質にアミノ酸変異を持っていることが報告され、患者の持つアミノ酸変異がどのようにスプライシング異常を引き起こし病気につながるのか、その関連性が注目されている。本研究では、患者に見られるアミノ酸変異を持つスプライシングタンパク質が、どのようにしてスプライシングを狂わすのか、その分子機構をタンパク質の立体構造から明らかにすることを目的とする。本研究の結果は、これまで明らかにされていなかったイントロン認識の分子機構を解明するだけでなく、スプライシング異常に起因する病気に対する新規薬剤開発に対して非常に有用な情報基盤を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究では、MDSやがん患者に見られるスプライシングタンパク質のアミノ酸変異が、なぜスプライシング異常を引き起こし、病気の原因になりうるのかを結晶構造解析を中心とした手法で明らかにすることを目的とした。研究対象となったU2AF1およびZRSR2タンパク質に関して、実際に構造解析まで至らなかったが、新たにU2AF1のメチル化修飾のスプライシングへの影響や、ZRSR2のアミノ酸変異がスプライシングタンパク質SF3B1との相互作用に影響を与えることが明らかになった。これらの結果が、MDSや腫瘍発生にかかわる異常スプライシングを引き起こすことが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、造血系悪性疾患の一つである骨髄異形成症候群(MDS)の患者や、肺がんなどの固形腫瘍を持つ患者のゲノム解析がなされ、その患者の多くがスプライシングタンパク質に特異的なアミノ酸変異を持つことが報告された。実際にこれらのいくつかのアミノ酸変異は、細胞におけるスプライシングパターンに大きな違いを引き起こすことが報告されているが、それぞれの変異タンパク質がどのように働く、もしくは働かないことで違い(異常)を産むのかは明らかではない。そのため、これらアミノ酸変異のスプライシングへの影響を知ることは、病気の早期診断・新規薬剤開発につながり、学術的のみならず社会的な意義は大きい。
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