研究課題/領域番号 |
21K06065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2023) 京都大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
加藤 裕教 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50303847)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん / アミノ酸代謝 / グルコース代謝 / 細胞死 / シスチン / フェロトーシス / 神経膠芽腫 / アミノ酸 / アミノ酸トランスポーター / グルコース |
研究開始時の研究の概要 |
多くのがん細胞が増殖と生存のためにグルコースに依存していることはよく知られている。そのため多くのがん細胞は、グルコースが欠乏した環境下ではすぐに細胞死を引き起こす。本研究では、がん細胞において引き起こされるグルコース代謝とアミノ酸の1つ、シスチンの代謝が、密接に関係し互いに影響を及ぼしていることに焦点を絞り、そのメカニズムを分子レベルで明らかにすることで、がん治療に対する新たな可能性につながる成果の発信を目指す。
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研究成果の概要 |
がん細胞において、シスチン代謝とグルコース代謝は密接に関係し、互いに影響を及ぼしていることが明らかにされつつあるが、その生理的意義や分子メカニズムについては理解が進んでいないのが現状である。本研究では、1)細胞外グルタチオンの代謝に関わるGGT1の発現が、神経膠芽腫細胞のフェロトーシスに対する耐性に大きく関わること、2)グルコース欠乏による細胞死が、NF2/Merlinによる転写レベルでのSLC7A11の発現制御によって抑制されていること、3)AMPKの活性化剤の1つが、SLC7A11によるシスチンの取り込みを阻害することで、フェロトーシスを促進すること、を新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で主に用いた神経膠芽腫細胞は、グリア細胞から発生するがん(神経膠腫)の中でも最も悪性度が高いがん細胞であるため、正常なグリア細胞あるいは比較的悪性度の低い神経膠腫細胞との違いを比較検討することで、本研究成果が悪性度の高いがん細胞特異的に見られる代謝機能やその制御機構を分子レベルで理解していくことにつながる可能性が考えられる。また、本研究で得られた成果が、腫瘍悪性化に関わる新たな分子ターゲットとなり得る候補分子の同定、さらにはその分子に対する新たな診断法や治療法の開発に貢献することが期待される。
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