研究課題/領域番号 |
21K06076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岸本 拓磨 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任講師 (70585158)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ステロール / 細胞膜 / 脂質輸送 / ホスファチジルセリン / 出芽酵母 / 脂質分布 / 脂質プローブ / 分子状態 / リン脂質合成酵素 / 恒常性 / 物理状態 / ステロール活性化 / 脂質 / 膜タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物の細胞膜にはステロールが高濃度に維持されているが、そのメカニズムは解明されていない。そこで本研究では脂質膜環境の変化によりステロールが脂質二重膜表面に露出し、細胞膜から解離し易くなる物理状態(ステロール活性化)に注目して研究を進める。我々が開発した出芽酵母のエルゴステロール(Erg)活性化を可視化するプローブを用いて、Ergの活性化を制御する細胞膜脂質を特定する。また、人工膜を用いた実験から、Erg活性化を制御するSfk1の機能を明らかにする。さらに、遺伝学的スクリーニングから新たな制御タンパク質を探索する。このような計画から制御因子を特定し、細胞膜ステロール制御機構を解明したい。
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研究成果の概要 |
真核生物の細胞膜ではステロールが高濃度に維持されるが、その機構は完全に解明されていない。研究代表者は脂質膜のステロール活性化と呼ばれる物理状態に注目し、出芽酵母のエルゴステロール(Erg)活性化を可視化するプローブを開発した。このプローブを用いて細胞膜Ergの制御機構の解明を試みた。遺伝学的解析から表層小胞体でErg輸送に関わるLamタンパク質とリン脂質のホスファチジルセリンの合成酵素がErgの活性化に関わる可能性を見出した。これらの変異は合成致死性を示した。条件致死変異株の表現型解析から細胞膜形態の異常とErgの異常蓄積が明らかになり、両者が細胞膜Ergの制御に関わる新たな機能が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物の細胞膜では他のオルガネラ膜に較べてステロールが特異的に濃縮されており、細胞膜のバリア機能等に重要な役割を果たしているが、ステロールがどのようにして細胞膜で高濃度に維持されているのかは不明である。本研究では細胞膜ホスファチジルセリンが、異なるメカニズムであるLamによるステロール輸送と協調的なステロール分布の制御を行っている可能性を明らかにした。そして、両者のシステムの破綻は、ステロール分布と細胞膜機能を大きく損なうことも明らかにしており、両者の機能がステロールの細胞膜ホメオスタシスを維持することに重要であるという新たな可能性を発見した。
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