研究課題/領域番号 |
21K06077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤原 孝彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70712751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖加水分解酵素 / 反応中間体 / X線自由電子レーザー / シリアルフェムト秒結晶構造解析 / クライオトラップ法 / セルロース / クライオトラップ / 糖質関連酵素 / 動的構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
バクテリアセルロース(BC)は植物由来セルロースにはない固有の性質を有する生物素材として様々な分野で応用が期待されるが,実用化に向けて生産性の改善が必須である.糖加水分解酵素CeSZはBCの生産性に関わることが知られており,これまでに反応の一部を捉えた立体構造が得られている.本研究では,X線自由電子レーザーを用いた動的構造解析により,CeSZおよび糖基質の構造変化を可視化することで,CeSZによる加水分解反応の全容解明を目指す.そして,多様な糖加水分解酵素の反応機構を理解するための基盤を構築するとともに,合理的なBC生産プロセスの構築へと展開する.
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研究成果の概要 |
微生物由来セルロースの生産に関与するエンドグルカナーゼCeSZの酵素反応の分子メカニズムを解明することを目的として,反応中間状態の構造解析を行った.極低温条件下で,変異体酵素と基質との複合体構造解析を行い,加水分解後の状態を捉えた.同様に,野生型酵素と基質との複合体構造解析を行い,極低温条件下で遷移状態前の構造を捉えた.本研究により,これまで明らかでなかった二状態を決定したことで,反応過程で生じる全ての状態が明らかとなり,反応機構の理解に貢献した.また,研究開始時に予定していなかったアルギン酸分解・変換酵素AlgEの構造解析を行い,様々な鎖長の基質の認識に関する知見を得るに至った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クライオトラップ法により,実験的にコンフォメーションが異なる糖の状態を可視化した本研究成果は,糖加水分解酵素の反応機構を詳細に解明するための有用な知見となる.そして,本研究で用いた手法は,異なるコンフォメーションの糖を経由する他の糖加水分解酵素に対して,中間状態を捉えるための一般的な実験指針となり得る.また,本研究で対象としたCeSZやAlgEはいずれも,オリゴ糖や多糖類の生産に関わる酵素であり,本研究により得られた構造情報をもとに酵素の高機能化が果たされれば,機能性糖質などの効率的生産につながることが期待される.
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