研究課題/領域番号 |
21K06080
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小笠原 絵美 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (70778274)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / ヘテロプラスミー / ミトコンドリアダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
変異型mtDNAの存在比率(変異率)の上昇は、ミトコンドリア病をはじめ多様な疾患の原因となる。しかし、mtDNAの細胞質遺伝の根源的理解は十分に進んでおらず、変異率の上昇機構は不明である。本研究計画では、ミトコンドリアの動的特性に着目し、「mtDNAの配置・分布」や「ミトコンドリアの融合・分裂」による変異率の制御機構を解析する。ヘテロプラスミー制御の分子基盤を構築することで、多コピー存在するmtDNAの中から、複製・維持されていくmtDNAの選別と遺伝の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
哺乳動物細胞では単一細胞内に数百から数千コピーのミトコンドリアDNA (mtDNA) が存在しており、mtDNAに変異が導入されると正常型mtDNAと変異型mtDNAの混在するヘテロプラスミーと呼ばれる状況になる。ヘテロプラスミーにおいては、変異型mtDNAの割合(変異率)が一定値を超えて高くなると、ミトコンドリア機能が低下し、様々な疾患と関連することが知られている。本研究ではmtDNAの選別と遺伝様式の解明を目指すことを目的に、「ミトコンドリアの融合・分裂」やそれに伴う「mtDNAの配置・分布」を含むミトコンドリアの動的特性に着眼したヘテロプラスミーの制御機構の解析を行っている。 今年度は、昨年度に樹立に成功した様々な変異率で変異型mtDNAを含有する一連の細胞系列を用いて、ミトコンドリア形態及びmtDNAの分布と変異率の関係性の解析をさらに進め、ミトコンドリア膜の動態変化が変異率制御、つまりmtDNAの細胞質遺伝に果たす役割の理解を深めることができた。また、mtDNAの配置・分布に着目して解析を進めたところ、これらがヘテロプラスミーにおけるミトコンドリアの機能制御に与える影響が明らかになり、その分子機構解析を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、樹立に成功した変異型mtDNAを様々な変異率で含有する一連の細胞系列を用いることでmtDNAヘテロプラスミーとミトコンドリア膜ダイナミクスの一連の変動を詳細に解析することができた、ミトコンドリア膜動態変化に伴う変異率制御に関わる有力な候補因子が得られてきた。さらに、mtDNAヘテロプラスミー状態におけるmtDNAの配置・分布がミトコンドリアの機能制御に与える影響、その分子機構の理解も大きく進み、概ね当初の目的通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、樹立した一連の細胞系列を用いて変異mtDNAの遺伝制御の解析を進める。特に、今年度に得られた候補因子を中心に分子機構の解析を進めていく。また、個体におけるmtDNA遺伝制御の解析を進めるために変異mtDNA含有マウスの解析を進めていく。
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