研究課題/領域番号 |
21K06084
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
永井 友朗 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (10723059)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 一次繊毛 / CEP104 / 集団移動 / 間葉系幹細胞 / 上皮極性 / 中心体 / 細胞のパターニング培養 / 一次繊毛先端 / ヘッジホッグ経路 / IFT / マイクロパターニング |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の多くの細胞では、一次繊毛と呼ばれる突起構造が細胞外の様々な物理的・化学的なシグナルを受容する「アンテナ」としての役割を担う。一次繊毛は中心小体に由来する基底小体から軸糸となる微小管が伸長することで形成され一次繊毛先端にはアンテナ機能に関わるタンパク質が集積するとみられるが、一次繊毛の機能における繊毛先端部の役割は未だに不明である。本研究では、申請者が以前から研究を行なっていたCEP104をはじめとする繊毛先端タンパク質に着目し、一次繊毛先端構造の構築とアンテナ機能を制御する分子機構を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
一次繊毛は細胞外の様々なシグナルを受容するアンテナとして機能し、その欠損は繊毛病と呼ばれる遺伝性疾患群を引き起こす。一次繊毛のアンテナ機能を担う受容体などのタンパク質は、基部の基底小体で選別されて繊毛内輸送(IFT)によって先端方向へ輸送される。一次繊毛先端部ではIFTの輸送方向の切り替えと、受容体から下流分子へのシグナル伝達が行われていると考えられるが、一次繊毛先端に集積するタンパク質がどの様に繊毛のアンテナ機能を制御しているかは不明であり、それらのタンパク質の変異による繊毛病発症機構もほとんど分かっていない。申請者は、繊毛病の一つであるジュベール症候群の原因遺伝子CEP104が一次繊毛先端に局在し、一次繊毛におけるヘッジホッグシグナルの受容と伝達に重要な役割を担っていることを見出している。一次繊毛依存的ヘッジホッグシグナルの伝達異常は、上皮細胞の極性異常や上皮間葉転換(EMT)によって嚢胞腎や肝線維化などを引き起こすとともに、骨髄・筋組織・臍帯などに存在する間葉系幹細胞の生存や運命決定を損なうことで骨形成異常・多指を引き起こす。これまでに、上皮細胞の集団移動を粒子画像流速測定法(PIV)によって測定し、一次繊毛異常と関連するEMTが集団移動に与える影響を数値化することに成功した。また、臍帯由来間葉系幹細胞を用いて一次繊毛形成と骨分化・脂肪分化を解析したところ、増殖抑制条件下での一次繊毛形成が確認され、一方分化誘導時には一次繊毛の長さが著しく長くなる様子が観察された。今後は、間葉系幹細胞の分化誘導時における一次繊毛の形成や伸長におけるCEP104などの一次繊毛先端タンパク質の関与を調べる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度まで行ってきた上皮細胞における一次繊毛先端タンパク質の機能解析に加えて、間葉系幹細胞を用いた一次繊毛形成機構の研究を開始した。その過程で、臍帯由来間葉系幹細胞の分化誘導時における一次繊毛の形成頻度と長さが時間依存的に変化することを見出した。以上の状況により、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の遂行過程で、上皮細胞の集団移動の数値化に成功し、間葉系幹細胞の分化誘導に伴う一次繊毛形成頻度や長さの変化を見出した。今後は、これらの実験系を用いて繊毛先端タンパク質であるCEP104・CSPP1・ARMC9などのノックダウンや局在解析を行い、一次繊毛先端タンパク質の機能解析を進めていく予定である。
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