配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究開始時の研究の概要 |
がん抑制遺伝子(EXT)ファミリーに属するEXT-like 2 (EXTL2)遺伝子は, 硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)の合成を負に調節する. 申請者らは, EXTL2によるGAGの生合成調節機構が働かない場合, 炎症に関連した病態が重篤に現れること, 発生過程で神経前駆細胞の増殖が亢進することを見出しており, EXTL2は炎症を誘発する活性や神経前駆細胞の増殖を促す活性をもつGAG鎖の合成を制御すると考えている. 本研究では, EXTL2によるGAGの生合成調節機構の仕組みとその生物学的意義の解明を目指す.
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研究実績の概要 |
がん抑制遺伝子(EXT)ファミリーに属するEXT-like 2 (EXTL2)遺伝子は, 硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)の合成を負に調節する. 申請者らは, EXTL2によるGAGの生合成調節機構が働かない場合, 炎症に関連した病態が重篤に現れること, 発生過程で神経前駆細胞の増殖が亢進することを見出しており, EXTL2は炎症を誘発する活性や神経前駆細胞の増殖を促す活性をもつGAG鎖の合成を制御すると考えている. 本研究では, EXTL2によるGAGの生合成調節機構の仕組みとその生物学的意義の解明を目指す. 2022年度は、EXTL2の発現制御機構について調べた. EXTL2遺伝子の5’非翻訳領域に結合する転写因子のうち, 炎症に関連するものを検索した. このうち, 炎症に関連する遺伝子やがん関連遺伝子を制御する転写因子CTCFに着目した. マクロファージ系株化細胞をリポ多糖で処理し, CTCF と EXTL2の遺伝子発現が調べたところ, 両遺伝子ともに炎症反応の活性化に伴い低下した. CTCFが EXTL2遺伝子の転写に関与する可能性が示唆された. CTCFの過剰発現は EXTL2遺伝子の発現を上昇させた. 次に, EXTL2遺伝子の5’非翻訳領域をクローニングし, ルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだレポーターベクターを構築した. これを用いてレポーターアッセイを行ったところ, 転写領域から-1.9 kbから-3.4 kb のDNA領域がEXTL2遺伝子の転写に関わる可能性が示唆された. また, このDNA領域を組み込んだレポーターベクターは, 発現させたCTCFによりレポーター活性が上昇した. これらの結果から, 炎症反応に伴う CTCF の発現低下がEXTL2遺伝子の発現を低下させる可能性が示唆された。
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