研究課題/領域番号 |
21K06092
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤平 陽彦 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (50721057)
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研究分担者 |
堀本 義哉 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (40424246)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | NGLY1 / TNBC / 薬剤耐性 / トリプルネガティブ乳がん |
研究開始時の研究の概要 |
NGLY1は、その遺伝子変異が全身に重篤な症状を呈する遺伝子疾患、NGLY1欠損症を引き起こすことが報告されて以来、哺乳動物における生理機能に注目が集まっているが、がんなどのcommon diseaseにおける重要性はほとんど解明が進んでいない。本研究では、治療抵抗性で予後不良であるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)とNGLY1の関連性に着目し、TNBCの薬剤耐性獲得に寄与するメカニズムの解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
本研究では、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の薬剤耐性獲得にNGLY1が寄与するメカニズムの解明を研究目的として研究に取り組み、以下のことを明らかにした。(1) NGLY1の内在性の発現量が低いTNBC細胞ほど抗がん剤耐性が高い傾向にある、(2) TNBC細胞でNGLY1をノックダウン(KD)すると抗がん剤耐性が高くなる、(3)NGLY1-KD TNBC細胞で細胞周期およびDNA修復関連の遺伝子発現の異常、(4) 患者検体の免疫染色で化学療法の効果が低い患者ほどNGLY1発現が低い。また、当初計画していなかった臨床現場へ応用可能なNGLY1の活性測定系の開発にも取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、糖鎖脱離酵素NGLY1がトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の薬剤耐性に寄与する可能性を示すことができた。これまでNGLY1の重要性に関してはNGLY1欠損症との関連が主に着目され、他の疾患(がん、心疾患など)との関連については研究が進んでいない。本研究の結果から、新たにTNBCとNGLY1との関連性という新たな学術的領域を見出すことができた。また、追加での検証が必要だが、NGLY1の発現量とTNBCの薬剤耐性との関連性が確実なものとなれば、患者のNGLY1発現量(活性)を測定することで、患者の薬剤耐性を予測することが可能となり、TNBC患者の予後の改善へ貢献することができる。
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