研究課題/領域番号 |
21K06094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原田 隆平 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (60612174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | タンパク質 / 分子動力学計算 / 構造変化 / 機械学習 / 複合体 / 解離プロセス / 分子間相互作用 / 多量体 / 構造探索 / 異常検知 / 解離過程 / タンパク質の効率的な構造探索 / 分子内・分子間コンタクト / タンパク質の構造変化 / レアイベントサンプリング / レアイベント |
研究開始時の研究の概要 |
機能解明においてタンパク質の構造変化の抽出は重要である. 分子動力学計算 (MD) はフェムト秒スケールの時間分解能で構造変化を追跡できるが, 機能発現の長時間スケールに到達できない. また, 機能に関係する構造変化はマイクロ秒以上の長時間スケールの確率過程で観測される「レアイベント」であるため, 長時間MDが実現しても抽出できる保証はない. 本研究では, 機械学習 (異常検知) を利用し,「構造変化し易い構造」と「異常度が高い構造」を対応づけ, 異常度が高い (遷移確率が高い) 構造を特定・選択し, 短時間MDを繰り返すことで構造変化を促進し, レアイベントを抽出可能な計算手法を開発する.
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研究成果の概要 |
タンパク質の機能を解明するうえで, 長時間スケールの構造変化を抽出することは重要である. 本研究では, 通常の分子動力学計算(MD)の到達時間スケールを超えて観測されるタンパク質の長時間ダイナミクスを抽出可能な計算手法を開発した. 具体的には, 研究代表者が独自に開発した長時間ダイナミクス抽出法であるPaCS-MD(Paralllel Cascade Selection Molecular Dynamics)と機械学習(異常検知)を融合させることで, 通常のMDでは抽出できないタンパク質複合体の形成と解離プロセスの抽出に成功し, 遷移プロセス途中に存在する中間体構造を特定した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子動力学計算と機械学習を融合させることにより生体機能に重要なタンパク質の構造変化を効率的に抽出する計算手法を確立させた. 本手法に関してはプログラムとして研究者へ公開することを通して研究成果の社会還元を果たす. また, 本手法を適用することにより, タンパク質や核酸をはじめとする複合体の形成や解離についてそのプロセスを詳細に調べることができるという学術的意義がある. さらに, 複合体の形成及び解離プロセス途中の分子間相互作用を解析することで, 生体機能を維持するために必須となる重要な相互作用の特定が実現するため, 疾患原因の特定にも貢献できる可能性を有する.
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